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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
*毎週の連載から不定期での連載に変更となりました。
2025/12/25 その453 日本に国民政党は生まれるか?
まず最初に指摘しておかなければならないのは、近年の政治や社会体制に関わる議論の基調が全て明治以降を起点としていることで、物事の良し悪しもこの基準に基づいているということです。実際には明治以前にも歴史があり、社会がありまた様々な考え方があったのですが、明治政府がその正当性を主張するために「王政復古」と言って鎌倉時代以降京都に押し込められていた天皇を担ぎ出し江戸時代以前を全否定したことがいまだに継続しているというとも言えます。歴史に倣うことは重要で明治以降も明治以前も等しくその事実に基づいた思考を組み立てる必要があります。
最近では「日本の伝統」という言葉で明治以降の「伝統」を強調することが多くみられますが本当の日本の伝統は縄文弥生から始まり隣国からの影響を受けながら独自に築き上げた思考や社会そして文化が「真の意味での日本の伝統です」これらの伝統の中には矛盾するものも整合性が整わないものもありますが歴史とは本来そういうものでそれらを理解しながら次の世代に繋げる思想や社会制度を考えるのが「今」の人の役割となります。
最近の選挙結果を見ると「利権団体を背景にした政党が低迷し、これに変わる新しい権力構造がまだ生まれていない」と言うことが既存政党の低迷と多党化減少につながっています。
具体的には既得権力をバックにした自民党の停滞、連合をバックにした立憲民主党の停滞そして創価学会を背景にした公明党や組織の代表格である共産党の存在感の薄さと言うことになります。既存の利権組織は構成員の高齢化と若年層の取り込みができずに衰退の道を辿り、そもそも組織率が20%に満たない連合をバックにした旧来の野党では力不足です。
公明党も支持母体の創価学会が高齢化等で勢いがなくなり得意の組織力も湿りがちです。現在の労働力の多くは中高年層のパートタイマーで占められ組織化されていませんし、多くの会社員も非組合員が多く、またユニオンショップ制度で組合には入っていても実質的な活動は皆無、投票行動は連合の方針とは全く合いません。
本来なら多くの国民の声を代弁するような政党、いわゆる国民政党が出てきても良いのですが明治以来日本にはこのような政党はありませんが、唯一の例外は板垣退助の愛国社/自由党/憲政党です。つまり政党政治も企業グループや労働組合によって作られ、運営され、一般国民はこれらに駆り出されているのみで例えばフランスのように街中でのバーでの議論が政策を生んだりイギリスのように街頭演説や個別訪問で意見を集約するようなことはなかったのです。
これらを考えると現状の選挙制度は短期間の選挙運動で政策を議論する場も時間もない中で投票を強いられるというということで何らかの組織に有利にはなりますが、本当の意味での国民政党が生まれる土壌は育ちません。個別訪問の禁止は買収を防ぐためということでしょうが、現在の世の中ではそんなことをすれば忽ちネットで事実が拡散され、逆に不利になるでしょう。
このように考えると選挙期間に限らず個別訪問や討論会のようなものをもっと自由に開催できるようにして立候補予定者の政策をじっくり検討でき、また有権者との議論ができるような環境作りが真の国民政党を作る原動力になるのではないでしょうか。
さて、それでは国民政党が生まれたとしたらどのような政策を持つのでしょうか。
1.婦別姓制度導入と同性婚、事実婚を税制、生活上公式に認定する
2.2年間で15%の賃上げ
3.2年間で15%の納入業者への納入価格上乗せ(いわゆる下請け企業の保護)
4.所得税の税率段階の見直し(所得区切り、低中所得階層の見直し)
5.個人所得税への2乗2分方式の導入(共稼ぎを合算した後課税)
6.第一次産業の効率化 大規模集約と資源保護政策立案
7.エネルギー政策の抜本的見直しと新技術への投資
8.中小企業集約化投資と技術力向上のための投資
9.教育目的の明確化(知識より発想力、暗記より論理思考)
10.国家予算は大枠と各省庁への総額提示、詳細は各省庁に委ねる
11.データベースの整備、基礎となる基本情報の定義と枠組み
12.政治献金1万円以上の現金禁止、他は全て振込等記録の残る形式とする
13.公文書記録の明確化と全記録の閲覧を可能とする(外交等重要度に応じた年数)
14.高度人材の移民促進
15.アジア外交政策の立案、特に東アジアの安定化
16.憲法改正手続きの明確化(改正案は個別投票し一括投票は認めない)
17.党議拘束は参議院では認めない、衆議院でも外交、予算等重要事項に限定する)
18.条約締結、憲法改正では参議院を優先する
19.首相を含む大臣の国会出席義務を制限し所轄大臣としての活動時間を確保する
無作為に順不同で政策を列挙してみました。投票率が上がる一助になるのでしょうか、そうであればこれらの政策が国民政党に必要になるのでしょう。
因みに近年の選挙では投票率が低迷していますが本当に低迷しているのでしょうか?
高齢者で施設に入ったり自宅でも認識が低下している人が以前より増加しているのは事実ですから本当に投票できる人たちの選挙に対する関心が薄くなっているのかどうか検証も必要でしょう。
逆に一定年齢層以下には投票権が無いのは政治に対する判断能力が醸成されていないというのが理由でしょうが一定レベル以上の認知症患者も同様に判断能力が衰えているとも考えられます。若年層は年齢という基準で区切ることへの合意が形成されているとすれば高齢認知困難者に対する基準があっても良いのかもしれません。
スウェーデンのグレタさんのように14歳で立派な活動をしている人も存在しているのに年齢で一方的に区切ることを是とするなら他の理由で投票制限することも考えられます。
2025/12/25 その453 日本に国民政党は生まれるか?
まず最初に指摘しておかなければならないのは、近年の政治や社会体制に関わる議論の基調が全て明治以降を起点としていることで、物事の良し悪しもこの基準に基づいているということです。実際には明治以前にも歴史があり、社会がありまた様々な考え方があったのですが、明治政府がその正当性を主張するために「王政復古」と言って鎌倉時代以降京都に押し込められていた天皇を担ぎ出し江戸時代以前を全否定したことがいまだに継続しているというとも言えます。歴史に倣うことは重要で明治以降も明治以前も等しくその事実に基づいた思考を組み立てる必要があります。
最近では「日本の伝統」という言葉で明治以降の「伝統」を強調することが多くみられますが本当の日本の伝統は縄文弥生から始まり隣国からの影響を受けながら独自に築き上げた思考や社会そして文化が「真の意味での日本の伝統です」これらの伝統の中には矛盾するものも整合性が整わないものもありますが歴史とは本来そういうものでそれらを理解しながら次の世代に繋げる思想や社会制度を考えるのが「今」の人の役割となります。
最近の選挙結果を見ると「利権団体を背景にした政党が低迷し、これに変わる新しい権力構造がまだ生まれていない」と言うことが既存政党の低迷と多党化減少につながっています。
具体的には既得権力をバックにした自民党の停滞、連合をバックにした立憲民主党の停滞そして創価学会を背景にした公明党や組織の代表格である共産党の存在感の薄さと言うことになります。既存の利権組織は構成員の高齢化と若年層の取り込みができずに衰退の道を辿り、そもそも組織率が20%に満たない連合をバックにした旧来の野党では力不足です。
公明党も支持母体の創価学会が高齢化等で勢いがなくなり得意の組織力も湿りがちです。現在の労働力の多くは中高年層のパートタイマーで占められ組織化されていませんし、多くの会社員も非組合員が多く、またユニオンショップ制度で組合には入っていても実質的な活動は皆無、投票行動は連合の方針とは全く合いません。
本来なら多くの国民の声を代弁するような政党、いわゆる国民政党が出てきても良いのですが明治以来日本にはこのような政党はありませんが、唯一の例外は板垣退助の愛国社/自由党/憲政党です。つまり政党政治も企業グループや労働組合によって作られ、運営され、一般国民はこれらに駆り出されているのみで例えばフランスのように街中でのバーでの議論が政策を生んだりイギリスのように街頭演説や個別訪問で意見を集約するようなことはなかったのです。
これらを考えると現状の選挙制度は短期間の選挙運動で政策を議論する場も時間もない中で投票を強いられるというということで何らかの組織に有利にはなりますが、本当の意味での国民政党が生まれる土壌は育ちません。個別訪問の禁止は買収を防ぐためということでしょうが、現在の世の中ではそんなことをすれば忽ちネットで事実が拡散され、逆に不利になるでしょう。
このように考えると選挙期間に限らず個別訪問や討論会のようなものをもっと自由に開催できるようにして立候補予定者の政策をじっくり検討でき、また有権者との議論ができるような環境作りが真の国民政党を作る原動力になるのではないでしょうか。
さて、それでは国民政党が生まれたとしたらどのような政策を持つのでしょうか。
1.婦別姓制度導入と同性婚、事実婚を税制、生活上公式に認定する
2.2年間で15%の賃上げ
3.2年間で15%の納入業者への納入価格上乗せ(いわゆる下請け企業の保護)
4.所得税の税率段階の見直し(所得区切り、低中所得階層の見直し)
5.個人所得税への2乗2分方式の導入(共稼ぎを合算した後課税)
6.第一次産業の効率化 大規模集約と資源保護政策立案
7.エネルギー政策の抜本的見直しと新技術への投資
8.中小企業集約化投資と技術力向上のための投資
9.教育目的の明確化(知識より発想力、暗記より論理思考)
10.国家予算は大枠と各省庁への総額提示、詳細は各省庁に委ねる
11.データベースの整備、基礎となる基本情報の定義と枠組み
12.政治献金1万円以上の現金禁止、他は全て振込等記録の残る形式とする
13.公文書記録の明確化と全記録の閲覧を可能とする(外交等重要度に応じた年数)
14.高度人材の移民促進
15.アジア外交政策の立案、特に東アジアの安定化
16.憲法改正手続きの明確化(改正案は個別投票し一括投票は認めない)
17.党議拘束は参議院では認めない、衆議院でも外交、予算等重要事項に限定する)
18.条約締結、憲法改正では参議院を優先する
19.首相を含む大臣の国会出席義務を制限し所轄大臣としての活動時間を確保する
無作為に順不同で政策を列挙してみました。投票率が上がる一助になるのでしょうか、そうであればこれらの政策が国民政党に必要になるのでしょう。
因みに近年の選挙では投票率が低迷していますが本当に低迷しているのでしょうか?
高齢者で施設に入ったり自宅でも認識が低下している人が以前より増加しているのは事実ですから本当に投票できる人たちの選挙に対する関心が薄くなっているのかどうか検証も必要でしょう。
逆に一定年齢層以下には投票権が無いのは政治に対する判断能力が醸成されていないというのが理由でしょうが一定レベル以上の認知症患者も同様に判断能力が衰えているとも考えられます。若年層は年齢という基準で区切ることへの合意が形成されているとすれば高齢認知困難者に対する基準があっても良いのかもしれません。
スウェーデンのグレタさんのように14歳で立派な活動をしている人も存在しているのに年齢で一方的に区切ることを是とするなら他の理由で投票制限することも考えられます。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ(http://www.bmd-r.com)代表
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ(http://www.bmd-r.com)代表
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BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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