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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2022/07/05 その367 防ぐのか拡げないのか
災害対策でも防犯対策でも、更には防衛力についても最近の議論は完全無欠シャットアウトという考え方に傾いています。津波対策では予想される最大限の津波高を目指すので場所によっては20メートルもの高さの防潮堤が必要になり、原発でも巨大な防潮壁の建設が求められています。しかし、経験でもわかるように災害は常に常識を超えた形で現れます。
愛媛県の伊方原発では阿蘇山での巨大噴火による溶岩流に対してどう対処するかが一つの争点になっていますが、そもそも巨大噴火が起きれば周辺地域への地震や溶岩流の被害は甚大で壊滅的打撃を受けその影響は原発よりもはるかに大きくなりますので原発についてもこのような大きな視野で検討すべきでしょう。
古来日本人は台風や地震を経験し、災害を防ぐよりもいかにして人的被害を最小限にしその後の復興をするかに知恵を絞ってきました。地震があれば津波を警戒し山に逃げる、家は流されても再建できるが命は失われれば終わりだということを認識した思考と行動でした。
ところが多少の科学知識を得た最近は地震を予知しようとし、津波は防潮堤で防ごうとしますが、これは自然への挑戦で人は必ず負けてしまいます。
急に高まった周辺諸国脅威論も似たような思考で攻められる前に敵基地攻撃だという論調ですが本当に戦争になれば日本はウクライナのように自国内での防衛ができるのか、第二次大戦時のフランスのようにレジスタンスを続けられるのかというレベルから議論を進め、その前に外交力をつけることが肝心です。
今の日本の思考とこれらとの決定的な違いは「完全に防ぐ」のか「防げない時にどうするか」という思考の差でこれにコストを掛ければより良い回答が得られると考えます。
福島原発事故でも津波高の予見可能性の議論ばかりで、予備電源が水没して使えなかったという点についての議論はありませんが、防ぐより拡げないという観点から見ると予備電源の設置が高所であれば停止はしても事故にはなりませんでした。
そのためには冷静に分析し議論をするためのデータを開示しより多くの人が議論に参加することです。
災害対策でも防犯対策でも、更には防衛力についても最近の議論は完全無欠シャットアウトという考え方に傾いています。津波対策では予想される最大限の津波高を目指すので場所によっては20メートルもの高さの防潮堤が必要になり、原発でも巨大な防潮壁の建設が求められています。しかし、経験でもわかるように災害は常に常識を超えた形で現れます。
愛媛県の伊方原発では阿蘇山での巨大噴火による溶岩流に対してどう対処するかが一つの争点になっていますが、そもそも巨大噴火が起きれば周辺地域への地震や溶岩流の被害は甚大で壊滅的打撃を受けその影響は原発よりもはるかに大きくなりますので原発についてもこのような大きな視野で検討すべきでしょう。
古来日本人は台風や地震を経験し、災害を防ぐよりもいかにして人的被害を最小限にしその後の復興をするかに知恵を絞ってきました。地震があれば津波を警戒し山に逃げる、家は流されても再建できるが命は失われれば終わりだということを認識した思考と行動でした。
ところが多少の科学知識を得た最近は地震を予知しようとし、津波は防潮堤で防ごうとしますが、これは自然への挑戦で人は必ず負けてしまいます。
急に高まった周辺諸国脅威論も似たような思考で攻められる前に敵基地攻撃だという論調ですが本当に戦争になれば日本はウクライナのように自国内での防衛ができるのか、第二次大戦時のフランスのようにレジスタンスを続けられるのかというレベルから議論を進め、その前に外交力をつけることが肝心です。
今の日本の思考とこれらとの決定的な違いは「完全に防ぐ」のか「防げない時にどうするか」という思考の差でこれにコストを掛ければより良い回答が得られると考えます。
福島原発事故でも津波高の予見可能性の議論ばかりで、予備電源が水没して使えなかったという点についての議論はありませんが、防ぐより拡げないという観点から見ると予備電源の設置が高所であれば停止はしても事故にはなりませんでした。
そのためには冷静に分析し議論をするためのデータを開示しより多くの人が議論に参加することです。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ(http://www.bmd-r.com)代表
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ(http://www.bmd-r.com)代表
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
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BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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