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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2018/11/6 その178 虫眼鏡社会
遠い昔となったバブルの崩壊から30年近くになり、株価は上がりマクロの数字で見る限りか景気も悪くありませんが、新しいものにチャレンジするような活力には欠けそれが世の中の停滞感となっています。景気は良い筈なのにデフレ基調は是正されず、値上げの代わりに内容量を少なくしたり、サイズを小さくするという実質値上げが蔓延していることも個人の景気に対する見方を厳しいものにしているように見えます。多くの人が自分に関係のあることしか興味を持たないことが底流にあります。
私はこれを『虫眼鏡社会』と呼んでいます。つまり虫眼鏡でものを見るように全体像、周囲の環境、大きな流れということが見えなくなり、自分の身の回りさえ良ければ満足という考え方です。
また、報道機関も虫眼鏡現象になっています。身近な例ではスポーツの国際試合では日本の試合しか報道せず、例えば予選リーグでの全体像はどうなのか、強豪国の試合結果はどうなのかは日本語の情報ではわからず、いつも国際競技団体の英語のホームページを見ています。
私たちの年代は『座して死を待つよりは撃って出る』という環境でしたので、自分だけのことを考えていてはまさに『死を待つ』ことにもなりかねず、後ろから背中を押されるように様々なことにチャレンジしました。もちろん、経済成長を達成しそれなりに豊かになってきたのでこのような意気込みが本当に必要かどうかは疑問なこともありますが、基本となる考え方は重要です。
以前にも書きましたが、海外から来たベンチャー企業の創立者がイメージに持っていたチャレンジングな日本の中小企業はどこへ行ったのかとびっくりしていたのが印象的です。虫眼鏡で見れば問題は見えないのかもしれませんが、世界の潮流の中で物事をみると大変な危機に直面しているのではないかと危惧されます。
『虫眼鏡』でなくせめて『ハズキルーペ』程度に視野を広げてはどうでしょうか
遠い昔となったバブルの崩壊から30年近くになり、株価は上がりマクロの数字で見る限りか景気も悪くありませんが、新しいものにチャレンジするような活力には欠けそれが世の中の停滞感となっています。景気は良い筈なのにデフレ基調は是正されず、値上げの代わりに内容量を少なくしたり、サイズを小さくするという実質値上げが蔓延していることも個人の景気に対する見方を厳しいものにしているように見えます。多くの人が自分に関係のあることしか興味を持たないことが底流にあります。
私はこれを『虫眼鏡社会』と呼んでいます。つまり虫眼鏡でものを見るように全体像、周囲の環境、大きな流れということが見えなくなり、自分の身の回りさえ良ければ満足という考え方です。
また、報道機関も虫眼鏡現象になっています。身近な例ではスポーツの国際試合では日本の試合しか報道せず、例えば予選リーグでの全体像はどうなのか、強豪国の試合結果はどうなのかは日本語の情報ではわからず、いつも国際競技団体の英語のホームページを見ています。
私たちの年代は『座して死を待つよりは撃って出る』という環境でしたので、自分だけのことを考えていてはまさに『死を待つ』ことにもなりかねず、後ろから背中を押されるように様々なことにチャレンジしました。もちろん、経済成長を達成しそれなりに豊かになってきたのでこのような意気込みが本当に必要かどうかは疑問なこともありますが、基本となる考え方は重要です。
以前にも書きましたが、海外から来たベンチャー企業の創立者がイメージに持っていたチャレンジングな日本の中小企業はどこへ行ったのかとびっくりしていたのが印象的です。虫眼鏡で見れば問題は見えないのかもしれませんが、世界の潮流の中で物事をみると大変な危機に直面しているのではないかと危惧されます。
『虫眼鏡』でなくせめて『ハズキルーペ』程度に視野を広げてはどうでしょうか
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
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BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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