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会計実務家コラム

会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。

田原中男氏の尖った提案

2017/3/27 その99 本質を見抜く力を養おう

明治以来の教育、特に戦後の教育方針の根本的な転換が必要とされています。
どこかの幼稚園のように教育勅語を諳んじるというのではなく、物事の本質を極める意思を育むことが必要だと思います。

暗記から発想へ

江戸時代の寺子屋教育では一般的だった“白文素読”のような考えも導入する価値があるように感じます。四書五経のような難解な文章も100回読むうちに内容が頭に入り、その意味することを感じ取れるようになるという勉強法です。自分の頭で考える力がつきます。

英国の算数は◯+△=10ですが、日本では8+2=◯です。
違いは何か? 日本式では正解はひとつですから誰かが答えてしまえば終わり。じっくり考えている人にチャンスは巡って来ません。英国式であれば30人のクラスであれば30通りの回答があります。

アメリカの小学校ではクラスで一番はクラスの人数だけいます。
勉強の成績が一番は一人ですが、走るのが早い人、歌が上手い人、とんちの効く人のように自分は何で一番になれるかを考えさせられます。このような教育方針では“考える力”がつきます。

本質を見抜く力というのもこのような多様な考え方が併存する中で鍛えられるもので、目指すところは一つ、正解も一つという社会では一人の成功者と多くの落伍者を出す結果となります。

残念ながら今の日本では公務員のシステムも、それを倣った企業のシステムもこのとおりになっているのです。

正解が沢山あり、多くの成功者と極めて少ない落伍者という社会を目指すところに繁栄があります。

コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏

1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。

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BMDリサーチ http://www.bmd-r.com