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会計実務家コラム

会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。

田原中男氏の尖った提案

2017/1/4 その87 あけましておめでとうございます

今年の正月は多くの地域では穏やかに明けましたが、2017年は波乱万丈な年になることも予想されますので、それなりの心構えが必要になるでしょう

さて、昨年11月の米大統領選挙以来政治の世界に新風が吹いています。残念ながら必ずしも良い風ばかりではないのですが、今までの政治のあり方を根本から問い直すような雰囲気があります

? マスメディアを信用せず、直接Twitterなどで発信する
? プロの政治家を信用せず、軍関係者と企業経験者を多用する
? スピーチライターに頼らず、自ら発言するとともに暗黙の了解ごとを打ち壊す

ここに至るまでの道筋を辿ってみると、企業家としての『マーケッティング手法』が見えてくるのではないでしょうか

大統領選挙の一般投票では3%近くも負けていながら、選挙人数では圧倒的な差でトランプが勝利しています。 マーケッティング的に見るとニューヨークやカリフォルニアといった必敗の州では大した選挙運動もせず、大敗を喫するものの接戦州では大胆な発言で選挙民の心を掴み、オハイオ、ミシガン、ペンシルベニア、マイアミといった東部の重要州でことごとく勝利多くの選挙人獲得しました
政治家としての信念や信条よりも州ごとの勝敗に特化した戦略だと言えますしまさにマーケッテインングの勝利と言えます

このような行動が将来的な政治の世界でどの程度受け入れられるかは不明ですが一つの新しい試みではあります

翻って日本の状況を見ると、世界各地での紛争や政変、主義主張の戦いから浮き上がって、まるで鎖国状態のように見えます

野党にもう少しマーケッティング的な発想があれば、状況は一変するのでしょうが古い体質にしがみついている結果、新しい波は起こっていません
労働組合の組織率が3割を切り、特に民間企業での実質的な組織率が非常に低い現在では労働組合を基盤とした政党には勝ち目がないどころか、与党に切り崩された結果支持政党なしの大きな塊が漂流していると考えられます

これが政治的な空白を生み、それが社会全体の活力を奪っているのではないでしょうか。様々な選挙での投票率の低下がこれを表していますし、躍動感のない社会を生み出しています。

政治とは『自分たちのこと、生活している社会に対する貢献』でもあり『義務』でもあることを認識したいものです

コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏

1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。

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2017.01.04 その87 あけましておめでとうございます
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