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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2017/7/24 その115 目的と手段
行動には目的があり、それを達成するために最適な手段を選択するということが求められますが、時として手段そのものが目的化してしまうことがあります。
例えば企業で売り上げ3割アップというような目標が立てられることがありますが、売り上げ3割アップというのは手段であって、裏に隠された目的がある筈です。企業理念として「企業活動を通じて社会に貢献する」というようなことがあれば、売り上げアップや利益の確保というのは、社会に貢献するために必要な資金を確保するための手段として選択されているのですが、目的達成には他の手段も考え
られます。
この場合、企業とその対象、取引先や顧客あるいは社会そのもの、との間で何らかのコンセンサスがないと混乱が起きます。
最近話題になっている北朝鮮のミサイル発射について考えてみます。
日本や米国は「ミサイル発射に対抗してさらなる制裁を」と言っています。ここで「制裁」は手段であって、その先の目的は何でしょうか。ミサイルを発射させないということなのでしょうか、それとも北朝鮮の体制変革なのでしょうか。
一方、北朝鮮の側から見るとミサイル発射の目的は何でしょうか。言われているのは「体制の維持」ということで、その手段としてミサイルや核弾頭があります。つまりお互いに今ある手段を確保するか除去するかで対立していることになりますが、体制の維持を認めるならば、そのための手段はミサイルや核弾頭以外にも様々考えられます。
しかし、日米等ミサイル発射に反対している側の目的がミサイルや核弾頭の除去そのものであれば対話は成立しないどころか、制裁は逆効果になります。つまり、北朝鮮にとって唯一有効だと信じている手段を除去しようというのですから他の手段を提供しない限りこの方程式は完結しません。
企業活動に戻りますが、多くの企業で似たようなことが起きているのではないでしょうか。
売り上げや利益増という手段が目的化してしまっています。
もし、これらが本当に目的であれば、目的達成のための手段、例えば市場の拡大、新商品の開発等の議論が必要で、その内から最適な手段を選択することで目的の実現が可能になります。
行動には目的があり、それを達成するために最適な手段を選択するということが求められますが、時として手段そのものが目的化してしまうことがあります。
例えば企業で売り上げ3割アップというような目標が立てられることがありますが、売り上げ3割アップというのは手段であって、裏に隠された目的がある筈です。企業理念として「企業活動を通じて社会に貢献する」というようなことがあれば、売り上げアップや利益の確保というのは、社会に貢献するために必要な資金を確保するための手段として選択されているのですが、目的達成には他の手段も考え
られます。
この場合、企業とその対象、取引先や顧客あるいは社会そのもの、との間で何らかのコンセンサスがないと混乱が起きます。
最近話題になっている北朝鮮のミサイル発射について考えてみます。
日本や米国は「ミサイル発射に対抗してさらなる制裁を」と言っています。ここで「制裁」は手段であって、その先の目的は何でしょうか。ミサイルを発射させないということなのでしょうか、それとも北朝鮮の体制変革なのでしょうか。
一方、北朝鮮の側から見るとミサイル発射の目的は何でしょうか。言われているのは「体制の維持」ということで、その手段としてミサイルや核弾頭があります。つまりお互いに今ある手段を確保するか除去するかで対立していることになりますが、体制の維持を認めるならば、そのための手段はミサイルや核弾頭以外にも様々考えられます。
しかし、日米等ミサイル発射に反対している側の目的がミサイルや核弾頭の除去そのものであれば対話は成立しないどころか、制裁は逆効果になります。つまり、北朝鮮にとって唯一有効だと信じている手段を除去しようというのですから他の手段を提供しない限りこの方程式は完結しません。
企業活動に戻りますが、多くの企業で似たようなことが起きているのではないでしょうか。
売り上げや利益増という手段が目的化してしまっています。
もし、これらが本当に目的であれば、目的達成のための手段、例えば市場の拡大、新商品の開発等の議論が必要で、その内から最適な手段を選択することで目的の実現が可能になります。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
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BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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