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会計実務家コラム

会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。

田原中男氏の尖った提案

2017/6/5 その109 日本的経営の終焉とこれからの時代:その1

日本的経営が2010年ごろから衰退期に入っていると前にも書きましたが、終焉まで30年間何もしなければ人口減少と重なり本当に悲劇的な状況が現実となってしまいます。

4回に分けて処方箋を考えてみましょう。

まず第一は現実を直視することです。人口が全てではありませんが国力の大きな力は人口、特に増加しているのか減少しているのかということが影響します

人口が減少する時代というのは、『将来に対して希望が持てない』ことを意味しています。つまり将来に希望が持てる時、場所、集団では人口が増え、希望が持てない場合は人口が増えないのです。
人口が増えるということは『自分より若い人が多い』ということですから、常に何かに追いかけられている感じがして、行動の原動力になっているのです。

団塊の世代(昭和22年から24年まで)の前に生まれた私自身も常に何かに追いかけられているという切迫感があり世代の津波に飲み込まれないようにしようという意識が自然に生まれ、時代背景とともに高度成長時代を実現したのです。
最近になって盛んに人口減少の話が出てきましたが、30年前からわかっていたことで誰も対処しなかったので追い込められているということと、これから出生数が増加しても30年ぐらいは実際の社会で活躍する世代の人口は増加しません。
解決策の一つは海外からの若年層の招聘です異なる文化との接触は刺激にもなる一方、軋轢もあります。しかし、この軋轢が力にもなるのです。
恐れることなく、もっと開放的になることが必要ですが、その前にもっと多くの人が旅行でも勉強でも、また仕事でも海外に出て実際に異文化の中での生活体験を経験して見ることが重要です。

私もプレーしていたサッカーで言えば、今のように多くの選手が海外のチームで活躍することは夢にも考えられませんでした。カズも中学生ぐらいで単身ブラジルに渡り現地で認められ日本に帰ることでサッカーブームに火がつき、W杯の常連になってきました。Jリーグには多くの外国人選手がいて活躍していますし、また日本人選手のレベルアップにもつながっています。

他の分野でも世界を舞台に活躍することで将来に対する希望を大きく膨らませることで活性化が促されるでしょう。

コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏

1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。

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