- TOP
- ≫ メッセージ
会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
田原中男氏の尖った提案
2017/7/19 その114 出遅れる日本企業
長い経済の低迷から脱却するためには企業活動が活発化し、新しいエネルギーが生まれてくる必要がありますが、残念ながら日本企業には活力が感じられません。政府や財界の指示待ちという感じがして、高度成長期のような下から持ち上がる迫力が感じられないのはなぜでしょうか。
毎年新入社員にはマスコミによるレッテル貼りが行われてきましたが、何年か前に『指示待ち族』というのがありました。自ら仕事を考えるのではなく上からの指示を待って行動を起こす、そして指示に従った作業は卒なくこなし大きな間違いはしないという行動パターンを指して名付けられました。
ひょっとするとこの世代が組織の中心になってきているからいまだに指示待ちをしているのかと疑問を持ってしまいます。この場合、どこから指示が来るのでしょうか。
会社の経営者になれば、社内から指示が来ることはないので経済団体だったり、業界だったり、あるいは所轄官庁からの指示を待っているのかもしれません。
しかし、この世代が指示待ち族であれば所轄官庁の同世代も同じように『指示待ち』族ですからどういうことになるのでしょうか。
バブル崩壊までは海外にモデルを求めることも可能でしたが、日本経済が『追いつき追い越せ』の時代から『世界経済の牽引車の一つ』となって海外にもモデルを求めることが難しくなりました。
バブルの崩壊はまさにそこに本質があります。
他国での活動を追いかけた結果、自らも泥沼にはまり今度はその経験からチャレンジにへっぴり腰になってしまったということでしょうか。
最近の記者会見を見ると、会社でも官庁でもあるいは政府でも原稿を読み上げて大きな過ちはありませんが面白味に欠ける、別の言い方をすると迫力がない状況がよくわかります。
自分の頭で理解し、咀嚼し、自らの言葉で話しができなければ意図は伝わりません。
一方で聞いてる方も配布されたプリントアウトをパソコンに打ち込んで話し手の顔を見ていません。顔の表情、仕草、そして最も大切なアイコンタクトができなければ口から出た言葉以上の真実、本音を探り出すことはできませんし、良い質問もできません。
丁々発止の息詰まるような対話がないのもこの辺りに原因があるのかもしれません。記者もまた『指示待ち族』なのでしょう。
これらの集積が『出遅れる日本企業』に繋がっているということです。
長い経済の低迷から脱却するためには企業活動が活発化し、新しいエネルギーが生まれてくる必要がありますが、残念ながら日本企業には活力が感じられません。政府や財界の指示待ちという感じがして、高度成長期のような下から持ち上がる迫力が感じられないのはなぜでしょうか。
毎年新入社員にはマスコミによるレッテル貼りが行われてきましたが、何年か前に『指示待ち族』というのがありました。自ら仕事を考えるのではなく上からの指示を待って行動を起こす、そして指示に従った作業は卒なくこなし大きな間違いはしないという行動パターンを指して名付けられました。
ひょっとするとこの世代が組織の中心になってきているからいまだに指示待ちをしているのかと疑問を持ってしまいます。この場合、どこから指示が来るのでしょうか。
会社の経営者になれば、社内から指示が来ることはないので経済団体だったり、業界だったり、あるいは所轄官庁からの指示を待っているのかもしれません。
しかし、この世代が指示待ち族であれば所轄官庁の同世代も同じように『指示待ち』族ですからどういうことになるのでしょうか。
バブル崩壊までは海外にモデルを求めることも可能でしたが、日本経済が『追いつき追い越せ』の時代から『世界経済の牽引車の一つ』となって海外にもモデルを求めることが難しくなりました。
バブルの崩壊はまさにそこに本質があります。
他国での活動を追いかけた結果、自らも泥沼にはまり今度はその経験からチャレンジにへっぴり腰になってしまったということでしょうか。
最近の記者会見を見ると、会社でも官庁でもあるいは政府でも原稿を読み上げて大きな過ちはありませんが面白味に欠ける、別の言い方をすると迫力がない状況がよくわかります。
自分の頭で理解し、咀嚼し、自らの言葉で話しができなければ意図は伝わりません。
一方で聞いてる方も配布されたプリントアウトをパソコンに打ち込んで話し手の顔を見ていません。顔の表情、仕草、そして最も大切なアイコンタクトができなければ口から出た言葉以上の真実、本音を探り出すことはできませんし、良い質問もできません。
丁々発止の息詰まるような対話がないのもこの辺りに原因があるのかもしれません。記者もまた『指示待ち族』なのでしょう。
これらの集積が『出遅れる日本企業』に繋がっているということです。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
バックナンバーは下記URLよりご覧下さい。
BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
BMDリサーチ http://www.bmd-r.com