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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2017/09/04 その121 優柔不断と時期尚早
現実直視の回避という心理状態があるからではないでしょうか。
最近の企業決算発表を見ていると大本営発表に通じるものが感じられ、不安な面があります。第三四半期で累計の計画進捗率が100%近いのに期末業績予想を変えない、また決算見通しを直前に上方修正するにも拘らず市場からの反応が薄いことに危機感を覚えるのは私だけでしょうか。決算数字が出るまで、社内で見込みができなかったとしたら社内統治に問題があるのではないでしょうか。
物事を決めるときに時期尚早だからもう少し待ってという理由で決断しないことがあります。この場合明確な理由が提示されることは少なく、従ってどのような条件になれば実行できるかがわかりません。
結局、そのままお蔵入りということも珍しくないどころか、ほとんどのケースでそのまま据え置かれしばらくして消え去るということが起っています。
言葉を置き換えると優柔不断ということになりますが、語感としては時期尚早の方が柔らかい雰囲気ですから大きな議論になりにくいと思われます。
ビジネスの世界でも社会現象でも現在は猛烈なスピードで変革が起き、しかも当事者も気がつかないあるいは気が付いたときには手遅れになっているということが多々あります。
このような状況を踏まえると、時期尚早ということであれば少なくとも条件提示を明確にして何が変化すれば実行できるのかというプロセスを明確にすることが大切ですし、他の事例、先行者の失敗等を参考にすることも大切です。
最近の例で言えば、太陽光発電があります。散々議論した挙句ようやく実施したのですが先行したドイツで電気料金の高騰という失敗がすでに顕在化したにも拘らずそのまま実行し、そして同じ轍を踏んでいます。
最近盛んに言われるようになった在宅勤務、テレワークと横文字になってきていますが、アメリカのIT企業ではオフィスで皆が顔をあわせるスタイルに回帰し始めています。人と人とのコミュニケーションの重要性を再認識した結果ですが、日本ではこれから普及させようとしています。
他者を見習うこと、そのための情報蒐集の大切さ、適確な分析というのはどんな時でも必要ですが、我々の周りでは少しこのような活動が低下しているように感じます。もっと感性を磨き、謙虚になると同時に決断力を高めることがますます求められます。
現実直視の回避という心理状態があるからではないでしょうか。
最近の企業決算発表を見ていると大本営発表に通じるものが感じられ、不安な面があります。第三四半期で累計の計画進捗率が100%近いのに期末業績予想を変えない、また決算見通しを直前に上方修正するにも拘らず市場からの反応が薄いことに危機感を覚えるのは私だけでしょうか。決算数字が出るまで、社内で見込みができなかったとしたら社内統治に問題があるのではないでしょうか。
物事を決めるときに時期尚早だからもう少し待ってという理由で決断しないことがあります。この場合明確な理由が提示されることは少なく、従ってどのような条件になれば実行できるかがわかりません。
結局、そのままお蔵入りということも珍しくないどころか、ほとんどのケースでそのまま据え置かれしばらくして消え去るということが起っています。
言葉を置き換えると優柔不断ということになりますが、語感としては時期尚早の方が柔らかい雰囲気ですから大きな議論になりにくいと思われます。
ビジネスの世界でも社会現象でも現在は猛烈なスピードで変革が起き、しかも当事者も気がつかないあるいは気が付いたときには手遅れになっているということが多々あります。
このような状況を踏まえると、時期尚早ということであれば少なくとも条件提示を明確にして何が変化すれば実行できるのかというプロセスを明確にすることが大切ですし、他の事例、先行者の失敗等を参考にすることも大切です。
最近の例で言えば、太陽光発電があります。散々議論した挙句ようやく実施したのですが先行したドイツで電気料金の高騰という失敗がすでに顕在化したにも拘らずそのまま実行し、そして同じ轍を踏んでいます。
最近盛んに言われるようになった在宅勤務、テレワークと横文字になってきていますが、アメリカのIT企業ではオフィスで皆が顔をあわせるスタイルに回帰し始めています。人と人とのコミュニケーションの重要性を再認識した結果ですが、日本ではこれから普及させようとしています。
他者を見習うこと、そのための情報蒐集の大切さ、適確な分析というのはどんな時でも必要ですが、我々の周りでは少しこのような活動が低下しているように感じます。もっと感性を磨き、謙虚になると同時に決断力を高めることがますます求められます。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
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BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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