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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2017/12/25 その137 日本本社の設立はできるか
世界のグローバル企業を見ると、いわゆるHQは必ずしも本来の創業地にはないことが多くあります。税制面の優遇措置を求めている面もありますが、人材の採用と処遇、コミュニケーションや移動の容易さ、規制の多寡などの理由で最適地に立地していることが多いのです。
翻って日本企業を考えて見るとHQの立地のみならず、組織的にもワールドHQと日本本社の機能が分離されず一体化している企業が圧倒的に多くなります。
このため、ワールドHQ機能についても日本人中心で使われる言語も日本語となっていますので、海外の優秀な人材を登用することが難しくなっています。
さらに、処遇面でも日本国内オペレーションを担当するスタッフと同一の処遇体系を維持しているためにグローバルスタンダードから見るとかなり低い水準になって
います。
日本企業でトップの報酬が5億円を超えることは珍しいですが、世界に目を向けると10億円どころか100億円という水準も珍しくなく、人材確保という面から見ても苦戦を強いられるのは必至です。
私の出身母体でもあるソニーでも盛田会長時代に何度かニューヨークにHQを設立しようという計画が出ましたが、結局実施できずに終わりました。
創立地の国籍にとらわれない組織運営ができる仕組み作りが難しい点もありますが同時に日本国内の経済団体や政官界とのつながりを維持しないとマスコミをはじめ
とする圧力に耐えられないという実態もあるのでしょう。
これからの日本の立ち位置を考えると日本のオペレーションを統括する日本本社とグローバルな活動を統括するグローバルHQの分離は必要です。
また、企業買収についても日本企業は規模の拡大が主流ですが、海外の場合は『時間を買う』ことが主題です。つまり自ら開発するよりベンチャーで開発した
技術を買う、新規分野への参入もゼロからの出発ではなく既に基盤を持った企業を買収して参入するということで、このような発想は日本の中にいては難しい点もあります。
最近の好業績企業の収益は海外比率が高くなっており、また企業買収も進めていますので早急な組織の整備と人材育成、全世界からの人材採用と維持ということが喫緊の課題でしょう。
世界のグローバル企業を見ると、いわゆるHQは必ずしも本来の創業地にはないことが多くあります。税制面の優遇措置を求めている面もありますが、人材の採用と処遇、コミュニケーションや移動の容易さ、規制の多寡などの理由で最適地に立地していることが多いのです。
翻って日本企業を考えて見るとHQの立地のみならず、組織的にもワールドHQと日本本社の機能が分離されず一体化している企業が圧倒的に多くなります。
このため、ワールドHQ機能についても日本人中心で使われる言語も日本語となっていますので、海外の優秀な人材を登用することが難しくなっています。
さらに、処遇面でも日本国内オペレーションを担当するスタッフと同一の処遇体系を維持しているためにグローバルスタンダードから見るとかなり低い水準になって
います。
日本企業でトップの報酬が5億円を超えることは珍しいですが、世界に目を向けると10億円どころか100億円という水準も珍しくなく、人材確保という面から見ても苦戦を強いられるのは必至です。
私の出身母体でもあるソニーでも盛田会長時代に何度かニューヨークにHQを設立しようという計画が出ましたが、結局実施できずに終わりました。
創立地の国籍にとらわれない組織運営ができる仕組み作りが難しい点もありますが同時に日本国内の経済団体や政官界とのつながりを維持しないとマスコミをはじめ
とする圧力に耐えられないという実態もあるのでしょう。
これからの日本の立ち位置を考えると日本のオペレーションを統括する日本本社とグローバルな活動を統括するグローバルHQの分離は必要です。
また、企業買収についても日本企業は規模の拡大が主流ですが、海外の場合は『時間を買う』ことが主題です。つまり自ら開発するよりベンチャーで開発した
技術を買う、新規分野への参入もゼロからの出発ではなく既に基盤を持った企業を買収して参入するということで、このような発想は日本の中にいては難しい点もあります。
最近の好業績企業の収益は海外比率が高くなっており、また企業買収も進めていますので早急な組織の整備と人材育成、全世界からの人材採用と維持ということが喫緊の課題でしょう。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
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BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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