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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2018/8/31 その170 大学無償化前に必要なこと
先日、20年来通っている床屋に行きました。
生まれたときから知っている息子さんが今年高校に入りましたが、必ずしも第一希望の学校ではありませんでした。
その息子さんが突然猛然と勉強を始めたそうです。理由は訪問して気に入った大学に入るための勉強で、誰からも強制されず、親もそれほど勉強が好きでなかった息子さんが急に勉強を始めたのでびっくりしているそうです。
気に入った学校があるから入りたい、そのためには英語はこれだけ、他の教科も必要なレベルはこれだけといった目標を自ら立て、アルバイト先で一緒になった目指す大学の在校生から情報を聞きながら勉強をしているということです。
ここには偏差値や進路指導が入り込む余地はありませんし、もともとこのような動機こそが求められているのです。
通常は高校に入った途端に技術系、文化系といった進路指導に基づいて授業内容も決まり本人の意志よりも偏差値で入れる大学を目指すということになるようです。このようにしてどこでも良いから大学に入るという教育(教育なのかどうかも疑わしいですが)をしている現状で本当に皆が大学へ、そして学費の無償化が必要なのでしょうか。
先ほどの息子さんの学校では4月から半年も経っていないのに既に相当数の退学者が出ているそうです。息子さん自体も学校はつまらないと言っているようですし何か間違っていると思います。
全てを偏差値で決め、皆が一つの方向に動くという集団の中で面白さはあるのでしょうか。
ショパンやピカソが今、日本で生きていたらおそらく落第生だったでしょうし落第した後で音楽や絵の道を極めるような機会は生まれなかったでしょう。
アメリカで経験したことですが小学校一年で落第し、三年生で元のクラスに戻るようなフレキシブルで、単なる点数ではなく、理解度の進捗度合いで判断するような制度がまずは望まれます。高校生は学校に魅力がないから辞めるのであって、決して頭が悪いから辞めるのではないという認識を持てば、現状の課題と解決の方法は必ず見つかります。
それは大学への全員入学と無償化ではない筈です。
もっと、若者の夢を育てる施策を考えましょう。
先日、20年来通っている床屋に行きました。
生まれたときから知っている息子さんが今年高校に入りましたが、必ずしも第一希望の学校ではありませんでした。
その息子さんが突然猛然と勉強を始めたそうです。理由は訪問して気に入った大学に入るための勉強で、誰からも強制されず、親もそれほど勉強が好きでなかった息子さんが急に勉強を始めたのでびっくりしているそうです。
気に入った学校があるから入りたい、そのためには英語はこれだけ、他の教科も必要なレベルはこれだけといった目標を自ら立て、アルバイト先で一緒になった目指す大学の在校生から情報を聞きながら勉強をしているということです。
ここには偏差値や進路指導が入り込む余地はありませんし、もともとこのような動機こそが求められているのです。
通常は高校に入った途端に技術系、文化系といった進路指導に基づいて授業内容も決まり本人の意志よりも偏差値で入れる大学を目指すということになるようです。このようにしてどこでも良いから大学に入るという教育(教育なのかどうかも疑わしいですが)をしている現状で本当に皆が大学へ、そして学費の無償化が必要なのでしょうか。
先ほどの息子さんの学校では4月から半年も経っていないのに既に相当数の退学者が出ているそうです。息子さん自体も学校はつまらないと言っているようですし何か間違っていると思います。
全てを偏差値で決め、皆が一つの方向に動くという集団の中で面白さはあるのでしょうか。
ショパンやピカソが今、日本で生きていたらおそらく落第生だったでしょうし落第した後で音楽や絵の道を極めるような機会は生まれなかったでしょう。
アメリカで経験したことですが小学校一年で落第し、三年生で元のクラスに戻るようなフレキシブルで、単なる点数ではなく、理解度の進捗度合いで判断するような制度がまずは望まれます。高校生は学校に魅力がないから辞めるのであって、決して頭が悪いから辞めるのではないという認識を持てば、現状の課題と解決の方法は必ず見つかります。
それは大学への全員入学と無償化ではない筈です。
もっと、若者の夢を育てる施策を考えましょう。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
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BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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