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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2018/2/5 その142 政治とマーケティング
トランプ大統領については様々な評価が有りますが、ひとつだけ確実なのは政治にマーケティング手法を導入した事です。その善悪については人それぞれの考え方があるでしょうが急激に変化する世界の中で政治だけが不変である理由はありません。
2016年の大統領選挙のときからマーケティング手法を導入しており、その一例は選挙制度を十分に理解した作戦だったと言う事です。
一般投票での勝負は度外視し、州毎の選挙人をどのようにして積み上げるかというかなり緻密な戦略が見て取れます。実際、一般投票では2%以上の差でクリントンが勝利していますが選挙人では100人以上の差を付けられています。
トランプ陣営の作戦は負けが必至のニューヨークやカリフォルニアではほとんど選挙活動をせず、比較的選挙人が多く保守的な中西部の諸州を重点的に取り込んだので一般投票では逆転現象が起きたのです。
マーケイングの観点からは大成功ですが、争奪戦になった中西部諸州でいかにして支持を得たのか、『アメリカ第一主義』『NAFTA見直しで職をアメリカに』『不法移民を制限』といったスローガンで支持を集めましたが、本当にこのような政策を実行しようとしていたのかどうか疑問な点もあります。
マーケティングと政策の違いは投影しているタイムスパンだと思います。
マーケティングは今の状況にどのように対処するのか、あるいは顧客のデモグラフィック分布を把握したうえで最大の効果を生むような戦略を建てるというのが基本的な考え方ですが、政策はもう少し長い時間軸でみています。
5年とか、10年のスパンで考えますから『今』への対処よりも『理念や哲学』が優先されることが多くなります。
日本では政治の劣化が言われて久しく、選挙制度や政治家の質に話題が集中しがちですがマーケティング思考があるのかどうかという観点から見ることも出来ます。
個別の政策には必ずしも賛成しないのに内閣支持率が高止まりしているという世論調査結果をどのように解釈するのか。
意外にも日本では知らず知らずのうちに政治の世界にマーケティング手法が導入されていたという事かもしれません。
トランプ大統領については様々な評価が有りますが、ひとつだけ確実なのは政治にマーケティング手法を導入した事です。その善悪については人それぞれの考え方があるでしょうが急激に変化する世界の中で政治だけが不変である理由はありません。
2016年の大統領選挙のときからマーケティング手法を導入しており、その一例は選挙制度を十分に理解した作戦だったと言う事です。
一般投票での勝負は度外視し、州毎の選挙人をどのようにして積み上げるかというかなり緻密な戦略が見て取れます。実際、一般投票では2%以上の差でクリントンが勝利していますが選挙人では100人以上の差を付けられています。
トランプ陣営の作戦は負けが必至のニューヨークやカリフォルニアではほとんど選挙活動をせず、比較的選挙人が多く保守的な中西部の諸州を重点的に取り込んだので一般投票では逆転現象が起きたのです。
マーケイングの観点からは大成功ですが、争奪戦になった中西部諸州でいかにして支持を得たのか、『アメリカ第一主義』『NAFTA見直しで職をアメリカに』『不法移民を制限』といったスローガンで支持を集めましたが、本当にこのような政策を実行しようとしていたのかどうか疑問な点もあります。
マーケティングと政策の違いは投影しているタイムスパンだと思います。
マーケティングは今の状況にどのように対処するのか、あるいは顧客のデモグラフィック分布を把握したうえで最大の効果を生むような戦略を建てるというのが基本的な考え方ですが、政策はもう少し長い時間軸でみています。
5年とか、10年のスパンで考えますから『今』への対処よりも『理念や哲学』が優先されることが多くなります。
日本では政治の劣化が言われて久しく、選挙制度や政治家の質に話題が集中しがちですがマーケティング思考があるのかどうかという観点から見ることも出来ます。
個別の政策には必ずしも賛成しないのに内閣支持率が高止まりしているという世論調査結果をどのように解釈するのか。
意外にも日本では知らず知らずのうちに政治の世界にマーケティング手法が導入されていたという事かもしれません。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
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BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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