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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2018/1/15 その139 やはり生産性の向上がこれからの鍵
戦後のGDPの伸び率を見ると3期に分かれることがわかります。
第一期が朝鮮戦争特需で本格的な復興が始まってから70年代初頭の石油ショックまで、
第二期が1989年のバブル崩壊まで
そして第三期が現在までです。
GDP成長率の平均は、第一期が約7%、第二期が3%、そして直近が1%です。
一般的に成長率は人口の伸び率、生産人口の伸び率、そして生産性で決定されますが、上記の期間で見ると人口と生産人口の伸びには大きな差異はなく、結局生産性の伸び率の差であることがわかります。
ただし、第一期は日本全体の人口や生産人口の伸び率はその他の期間と大差がないものの、大きな特徴は第一次産業から第二次産業への急激な人口のシフトです。産業間の生産性の差がプラス要因になって全体の数字を押し上げています。“地方から集団就職のため上野駅に到着”の風景が今でも語られていますし歌にもなりました。
第二期から第三期にかけての変化は第二次産業から第三次産業へのシフトで今回は生産性の低下となって表れています。
インテルの半導体に代表される知的産業は非常に高い利益率を得ていますが、これらはごく一部であり、多くの第三次産業はサービス中心の構造となっているため労働集約率が高く生産性は高くありません。
工業製品のように大量生産することができず、多品種少量生産の典型的な産業です。つまり“人”を対象とする産業では定型的な大量生産ができないのです
これらの結果として先進国ではどこも成長率が低下している一方で、ごく一部の業種に富が集中してしまっています。
世界全体で見ると何とトップ8人の資産が下位5割の合計と同じだというように富の著しい偏在があります。
このワナから抜け出すアイデアと勇気が求められますので、これまでにない発想と長期的なビジョンに基づいた着実な努力が求められますし、意識改革も重要です。
日本の場合には生産労働人口は減少しても労働参加率を高めることで実質的な生産人口の増加も見込めます。
いかにして労働参加率を高められるか、そしてサービス産業の生産性向上が改善のカギとなります。
戦後のGDPの伸び率を見ると3期に分かれることがわかります。
第一期が朝鮮戦争特需で本格的な復興が始まってから70年代初頭の石油ショックまで、
第二期が1989年のバブル崩壊まで
そして第三期が現在までです。
GDP成長率の平均は、第一期が約7%、第二期が3%、そして直近が1%です。
一般的に成長率は人口の伸び率、生産人口の伸び率、そして生産性で決定されますが、上記の期間で見ると人口と生産人口の伸びには大きな差異はなく、結局生産性の伸び率の差であることがわかります。
ただし、第一期は日本全体の人口や生産人口の伸び率はその他の期間と大差がないものの、大きな特徴は第一次産業から第二次産業への急激な人口のシフトです。産業間の生産性の差がプラス要因になって全体の数字を押し上げています。“地方から集団就職のため上野駅に到着”の風景が今でも語られていますし歌にもなりました。
第二期から第三期にかけての変化は第二次産業から第三次産業へのシフトで今回は生産性の低下となって表れています。
インテルの半導体に代表される知的産業は非常に高い利益率を得ていますが、これらはごく一部であり、多くの第三次産業はサービス中心の構造となっているため労働集約率が高く生産性は高くありません。
工業製品のように大量生産することができず、多品種少量生産の典型的な産業です。つまり“人”を対象とする産業では定型的な大量生産ができないのです
これらの結果として先進国ではどこも成長率が低下している一方で、ごく一部の業種に富が集中してしまっています。
世界全体で見ると何とトップ8人の資産が下位5割の合計と同じだというように富の著しい偏在があります。
このワナから抜け出すアイデアと勇気が求められますので、これまでにない発想と長期的なビジョンに基づいた着実な努力が求められますし、意識改革も重要です。
日本の場合には生産労働人口は減少しても労働参加率を高めることで実質的な生産人口の増加も見込めます。
いかにして労働参加率を高められるか、そしてサービス産業の生産性向上が改善のカギとなります。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
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BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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