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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2018/3/5 その146 今、何が必要なのか
1億2千万人の人が乗った日本という大きな船の舵をとることは難しいし、たとえ舵を切っても実際に進路変更するには相当な時間が必要で、しかも急な操舵をすれば船そのものが転覆しかねないので、方向転換には周到な準備としっかりした予見が必要となります。
これこそが船長の腕前であり、航海士の適切な情報提供も絶対条件です。
バブル崩壊から久しく、人口も減少し始めていますが、長期的な展望や施策の手が打たれているのでしょうか。
私事になりますが、三十年も前に教育関係のある展示会で今の日本の姿を示し、高齢化に対する対策の必要性を示したことがあります。出生率や海外からの人口流入の動向、平均寿命等から比較的簡単に人口構成の高齢化は推測できたのでそのための対策を早く始める必要があるという訴えでした。
対策を考え、立法化し、人材を育成し効果を表すまでには最低でも十年、通常は二十年ほどかかるので、そのような提案をしたのですが、何もなされずに予想通りの状況が目の前に来てしまいました。
今、何が重要なのでしょうか
●人口減少にどう対処するのか
●大都市に人口が集中し過密になる一方、地方では急激な過疎化が進んでいます
●企業の生産性の伸びが止まっています
●生産性の著しい伸びのあった第二次産業から生産性の低い第三次産業への転換による影響が大きいので、第三次産業での生産性を高めることが必要です
●この観点から見ると裁量労働制や脱時間給制度は必要ですが、その前提となる経営者の意識改革と雇用・労働環境の改善が求められます
『働き方改革』で言われていることは、法律で行動を規制しようという発想で最初に取り組むべき経営マインドの変革をどのように進めるのかという議論がありません。
以前から言っているように『働き方改革』は『経営者・管理者の意識改革』です。将来に希望が持てなければ出生率は上がらず、ますますの人口構成の老齢化が進み、保険や年金制度の破綻が迫ります。
財政の健全化も進まず、これらが若年層の漠然とした将来の不安を醸成しています。
社会の実権を握る政府や企業経営者がすぐにでもやらなくてはならないのはここに列挙した課題の方向性を示し、皆のベクトルを揃え、危機を乗り越えることであって、これに比較すれば『北朝鮮の脅威』はとても小さなことに思えます。
苦しくても、大衆受けしなくても十年先に必要なことを示して先頭に立つのがリーダーの役割です。
1億2千万人の人が乗った日本という大きな船の舵をとることは難しいし、たとえ舵を切っても実際に進路変更するには相当な時間が必要で、しかも急な操舵をすれば船そのものが転覆しかねないので、方向転換には周到な準備としっかりした予見が必要となります。
これこそが船長の腕前であり、航海士の適切な情報提供も絶対条件です。
バブル崩壊から久しく、人口も減少し始めていますが、長期的な展望や施策の手が打たれているのでしょうか。
私事になりますが、三十年も前に教育関係のある展示会で今の日本の姿を示し、高齢化に対する対策の必要性を示したことがあります。出生率や海外からの人口流入の動向、平均寿命等から比較的簡単に人口構成の高齢化は推測できたのでそのための対策を早く始める必要があるという訴えでした。
対策を考え、立法化し、人材を育成し効果を表すまでには最低でも十年、通常は二十年ほどかかるので、そのような提案をしたのですが、何もなされずに予想通りの状況が目の前に来てしまいました。
今、何が重要なのでしょうか
●人口減少にどう対処するのか
●大都市に人口が集中し過密になる一方、地方では急激な過疎化が進んでいます
●企業の生産性の伸びが止まっています
●生産性の著しい伸びのあった第二次産業から生産性の低い第三次産業への転換による影響が大きいので、第三次産業での生産性を高めることが必要です
●この観点から見ると裁量労働制や脱時間給制度は必要ですが、その前提となる経営者の意識改革と雇用・労働環境の改善が求められます
『働き方改革』で言われていることは、法律で行動を規制しようという発想で最初に取り組むべき経営マインドの変革をどのように進めるのかという議論がありません。
以前から言っているように『働き方改革』は『経営者・管理者の意識改革』です。将来に希望が持てなければ出生率は上がらず、ますますの人口構成の老齢化が進み、保険や年金制度の破綻が迫ります。
財政の健全化も進まず、これらが若年層の漠然とした将来の不安を醸成しています。
社会の実権を握る政府や企業経営者がすぐにでもやらなくてはならないのはここに列挙した課題の方向性を示し、皆のベクトルを揃え、危機を乗り越えることであって、これに比較すれば『北朝鮮の脅威』はとても小さなことに思えます。
苦しくても、大衆受けしなくても十年先に必要なことを示して先頭に立つのがリーダーの役割です。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
バックナンバーは下記URLよりご覧下さい。
BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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