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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2018/2/26 その145 働き方改革 その7 裁量労働制の議論が横道に
最近の裁量労働制に関する議論は、だいぶ横道に逸れてしまっているのではないか。
『時間でなく成果で評価』という尺度も必要だが誰に適用されるのか。
労働環境は大企業と中小企業では相当に異なるのに一律に適用できるのか。
多くの中小、零細企業は『経団連』には加盟していないので、これらに雇用されている人たちの代弁者は誰なのか。
そもそも、多くの日本企業では個人別の明確な年度目標や達成目標が具体的に明示されていないので個人に『裁量』を任された仕事があるのだろうか。
職場の時間管理はマネジャーの重要な仕事ですが、適切になされていれば長時間労働のような事態にはならないし、逆にこの時間管理ができていないとすれば裁量労働はまさに長時間労働を助長することになりかねません。
確かに1日の残業時間が45時間といったデータは有効性を確認したとは考えられないので、制度設計の『101』からやり直す必要があるが、前提としてどのような労働環境を作ろうとしているのかという根源的なテーマの議論がまず必要になります。国会の審議も、新聞等の報道も、コメンテーターの解説も枝葉末節な議論に終始し本質的な議論をしないのはどういうことなのか。
本来的に法律は『人の行動を指示するもの』ではなく、『人の行動や判断の大きな枠組み』を示すものでなければなりません。
つまり『人々の自由な発想や行動』があるものの、集団や社会生活をスムーズに行うため限度を決めるものでなければなりません。
イギリスのような慣習法の国では『規則を守ることが自由だ』という概念が定着していて、ルールはできるだけ少なくする代わりにこの最低限のルールは皆で守ろう、さもなければルールが徐々に増えてしまい結局がんじがらめに自由が束縛されてしまうという概念です。
残念ながら日本ではいまだに『お上』意識が強いため、細かな行動まで規則を決めて欲しいという感覚が強く『横並びの安心感』とともに変化に対して非常に保守的となっています。
自由な発想でビジネスが展開されるためにはこのような『横並び』からの脱却が必要となりますので、この観点からは裁量労働制のような制度も必要でしょう。
しかし、制度に頼って実態と関係なく横並びで実施されるなら失敗は明らかです。
国会も、マスコミもそして我々自身も本質的な議論と検討が必要です。
最近の裁量労働制に関する議論は、だいぶ横道に逸れてしまっているのではないか。
『時間でなく成果で評価』という尺度も必要だが誰に適用されるのか。
労働環境は大企業と中小企業では相当に異なるのに一律に適用できるのか。
多くの中小、零細企業は『経団連』には加盟していないので、これらに雇用されている人たちの代弁者は誰なのか。
そもそも、多くの日本企業では個人別の明確な年度目標や達成目標が具体的に明示されていないので個人に『裁量』を任された仕事があるのだろうか。
職場の時間管理はマネジャーの重要な仕事ですが、適切になされていれば長時間労働のような事態にはならないし、逆にこの時間管理ができていないとすれば裁量労働はまさに長時間労働を助長することになりかねません。
確かに1日の残業時間が45時間といったデータは有効性を確認したとは考えられないので、制度設計の『101』からやり直す必要があるが、前提としてどのような労働環境を作ろうとしているのかという根源的なテーマの議論がまず必要になります。国会の審議も、新聞等の報道も、コメンテーターの解説も枝葉末節な議論に終始し本質的な議論をしないのはどういうことなのか。
本来的に法律は『人の行動を指示するもの』ではなく、『人の行動や判断の大きな枠組み』を示すものでなければなりません。
つまり『人々の自由な発想や行動』があるものの、集団や社会生活をスムーズに行うため限度を決めるものでなければなりません。
イギリスのような慣習法の国では『規則を守ることが自由だ』という概念が定着していて、ルールはできるだけ少なくする代わりにこの最低限のルールは皆で守ろう、さもなければルールが徐々に増えてしまい結局がんじがらめに自由が束縛されてしまうという概念です。
残念ながら日本ではいまだに『お上』意識が強いため、細かな行動まで規則を決めて欲しいという感覚が強く『横並びの安心感』とともに変化に対して非常に保守的となっています。
自由な発想でビジネスが展開されるためにはこのような『横並び』からの脱却が必要となりますので、この観点からは裁量労働制のような制度も必要でしょう。
しかし、制度に頼って実態と関係なく横並びで実施されるなら失敗は明らかです。
国会も、マスコミもそして我々自身も本質的な議論と検討が必要です。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
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BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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