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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2018/8/20 その168 やはり日本には投資家はいなかった
知り合いのアメリカ人から聞いたちょっと寂しい出来事です。この人は友人の外国人二人と日本国内でクラフトビールを製造販売する会社を立ち上げました。
今年の春から生産を始め先ずは都内の有名レストランに直接販売していて、一般の流通経路には乗せず特定の店でしか飲めないビールという差別化を図っています。癖のない白ビールで女性をターゲットにしています。
彼に聞いて初めて白ビールがというのを知りましたが、ドイツ語あるいは英語での呼び方から欧米ではちょっと味の異なるビールということで私自身もアメリカ滞在中にはよく飲んでいました。
ビジネスは比較的順調に立ち上がったので、一層の拡大のため資金調達が必要になり、個人の投資家を回って小口の投資を呼びかけているという話を聞いたのが約3ヶ月前。日本でもこのような投資家はいるのかという私の問いかけに『沢山いますよ』と言っていました。
ところが最近聞いたところ、資金が集まらないのでアメリカや香港の投資家に調達先を切り替えているとのこと。
『せっかく日本語を勉強してある程度話せるようになったのに必要なくなってしまったね』と聞いたところ、日本人の投資家もほとんど英語を話すので今までもそれほど日本語は必要なかった。しかし、レストランのシェフと話すときは日本語が必要だし、日本特有のマナーや話の仕方も難しいとは言っていました。
日本にも投資家は沢山いるというということと、資金が集まらないことが結びつかず聞いたところ、決断が遅い、リスクがある案件にはとても慎重で海外、特にアメリカや香港、中国の投資家とは判断基準やスピードが全く違うと言うことでした。
そこで、先ずは海外で資金調達し、ある程度軌道に乗ってきたらそれをベースに再び日本人の投資家に呼びかけると言っていました。
最近の日経新聞にも似たような記事『日本を捨て脱ムラ社会で起業』がありました
全くその通りの現実を聞いてがっかりしています。
実はその前にも変わったデザインのラベルがビンに貼れない、ロゴ入りのキャップが国内では作ってもらえず世界シェア5割のギリシャ企業から輸入しているという話を聞いており、高度成長期の企業のチャレンジ精神、とにかくやってみる、というような決断力が全く失われてしまっていることを感じており、ますます日本の将来に対し暗い気持ちになっている最近です。
知り合いのアメリカ人から聞いたちょっと寂しい出来事です。この人は友人の外国人二人と日本国内でクラフトビールを製造販売する会社を立ち上げました。
今年の春から生産を始め先ずは都内の有名レストランに直接販売していて、一般の流通経路には乗せず特定の店でしか飲めないビールという差別化を図っています。癖のない白ビールで女性をターゲットにしています。
彼に聞いて初めて白ビールがというのを知りましたが、ドイツ語あるいは英語での呼び方から欧米ではちょっと味の異なるビールということで私自身もアメリカ滞在中にはよく飲んでいました。
ビジネスは比較的順調に立ち上がったので、一層の拡大のため資金調達が必要になり、個人の投資家を回って小口の投資を呼びかけているという話を聞いたのが約3ヶ月前。日本でもこのような投資家はいるのかという私の問いかけに『沢山いますよ』と言っていました。
ところが最近聞いたところ、資金が集まらないのでアメリカや香港の投資家に調達先を切り替えているとのこと。
『せっかく日本語を勉強してある程度話せるようになったのに必要なくなってしまったね』と聞いたところ、日本人の投資家もほとんど英語を話すので今までもそれほど日本語は必要なかった。しかし、レストランのシェフと話すときは日本語が必要だし、日本特有のマナーや話の仕方も難しいとは言っていました。
日本にも投資家は沢山いるというということと、資金が集まらないことが結びつかず聞いたところ、決断が遅い、リスクがある案件にはとても慎重で海外、特にアメリカや香港、中国の投資家とは判断基準やスピードが全く違うと言うことでした。
そこで、先ずは海外で資金調達し、ある程度軌道に乗ってきたらそれをベースに再び日本人の投資家に呼びかけると言っていました。
最近の日経新聞にも似たような記事『日本を捨て脱ムラ社会で起業』がありました
全くその通りの現実を聞いてがっかりしています。
実はその前にも変わったデザインのラベルがビンに貼れない、ロゴ入りのキャップが国内では作ってもらえず世界シェア5割のギリシャ企業から輸入しているという話を聞いており、高度成長期の企業のチャレンジ精神、とにかくやってみる、というような決断力が全く失われてしまっていることを感じており、ますます日本の将来に対し暗い気持ちになっている最近です。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
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BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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