- TOP
- ≫ メッセージ
会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
田原中男氏の尖った提案
2021/3/19 その302 政治はマーケッティング
以前にも書いたことですが、政治にマーケッティングの手法が導入されたら何が起きるのでしょうか。本来政治は国民の代表者、言い換えれば国民の意思の代弁をする活動です。
一方、マーケッティングとは世の中の今と将来への期待を数値で表現することと言っても良いでしょう。まさしく政治が求められていることと同じ次元にあるわけですが日本の政治の世界では閉じられた世界の中での認識と思惑と利害で政策が立案され実行されています。
東日本大震災から10年が過ぎましたが、福島をはじめとした地域の再生は道半ばにも達せず将来への希望が見えない状況で人口が減少しています。何故でしょうか?従来と同じ発想で、インフラ整備という名の下に箱物は整備されましたが「心」が通った計画が策定されていませんしもちろん実行もされていません。
宮城県の女川市は土地の嵩上げはしたものの巨大防潮堤は作らないことにしたのは一つには自然災害を完全に防ぐことは難しいという認識で、津波が来たら逃げる、普段は海が見える生活をコンパクトな街で実現するという総意で決めたそうです。
物理的に何をするかというより、どのようにして生活を継続しできれば生活を向上させることができるのかということが原点にあったのです。
政治の役割に戻ると生活者が何を望み、将来に向けて何をしたいのかを聞き取りその上で最適解を見つけるというのが求められていることですから、それぞれの街でニーズも前提条件も異なります。一律に巨大防潮堤を作るということではなく、ニーズにあった解を提供することで信頼感も得られ、結果的に心の通った政治につながるわけです。
ゼネコンに金を落とすためと疑われかねない政策では人の心は和まず、結果的に空疎な箱ができてしまうのはこれまでもあちこちで経験したことです。一回しか使われない国体向けの運動施設が維持管理に莫大な費用の投入が余儀なくされたり、管理費が出せずに錆び付いている光景は全国に見られます。政治が何をしなくてはならないかは明白ですが、そのような主張、行動をとる政治家が少ないことに本当にがっかりしますが、同時に有権者である国民の側にも責任があるのは間違いありません。
これからの時代を担う若者に奮起を期待します。
以前にも書いたことですが、政治にマーケッティングの手法が導入されたら何が起きるのでしょうか。本来政治は国民の代表者、言い換えれば国民の意思の代弁をする活動です。
一方、マーケッティングとは世の中の今と将来への期待を数値で表現することと言っても良いでしょう。まさしく政治が求められていることと同じ次元にあるわけですが日本の政治の世界では閉じられた世界の中での認識と思惑と利害で政策が立案され実行されています。
東日本大震災から10年が過ぎましたが、福島をはじめとした地域の再生は道半ばにも達せず将来への希望が見えない状況で人口が減少しています。何故でしょうか?従来と同じ発想で、インフラ整備という名の下に箱物は整備されましたが「心」が通った計画が策定されていませんしもちろん実行もされていません。
宮城県の女川市は土地の嵩上げはしたものの巨大防潮堤は作らないことにしたのは一つには自然災害を完全に防ぐことは難しいという認識で、津波が来たら逃げる、普段は海が見える生活をコンパクトな街で実現するという総意で決めたそうです。
物理的に何をするかというより、どのようにして生活を継続しできれば生活を向上させることができるのかということが原点にあったのです。
政治の役割に戻ると生活者が何を望み、将来に向けて何をしたいのかを聞き取りその上で最適解を見つけるというのが求められていることですから、それぞれの街でニーズも前提条件も異なります。一律に巨大防潮堤を作るということではなく、ニーズにあった解を提供することで信頼感も得られ、結果的に心の通った政治につながるわけです。
ゼネコンに金を落とすためと疑われかねない政策では人の心は和まず、結果的に空疎な箱ができてしまうのはこれまでもあちこちで経験したことです。一回しか使われない国体向けの運動施設が維持管理に莫大な費用の投入が余儀なくされたり、管理費が出せずに錆び付いている光景は全国に見られます。政治が何をしなくてはならないかは明白ですが、そのような主張、行動をとる政治家が少ないことに本当にがっかりしますが、同時に有権者である国民の側にも責任があるのは間違いありません。
これからの時代を担う若者に奮起を期待します。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
バックナンバーは下記URLよりご覧下さい。
BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
BMDリサーチ http://www.bmd-r.com