- TOP
- ≫ メッセージ
会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
田原中男氏の尖った提案
2020/5/25 その258 個人の力が再び求められている
連日コロナ関連ニュースが溢れ、また自粛で閉じこもり生活が普通になってきていますが、それだからこそ個人の判断力が求められています。個人が合理的な判断をするためには、まず正確な情報が開示されていることが大切です。
情報に格差がなければ、どのような結論を出すかは各個人の判断力に委ねられますが、もし情報に格差があれば判断の良し悪しではなく情報量の多寡で結果が導かれてしまい社会的な不公平が生じてしまいます。一方で正確な情報が十分にあれば、判断の結果は個人の責任となります。
外出自粛要請とPCR検査の関連いついて考えてみましょう。PCR検査は何を目的として行うのでしょうか。新型コロナウィルスに関して言えば、大きな特徴が感染しても無症状である比率が高く8割もあるということです。感染すればほとんど症状が出るのであればPCR検査の意義は異なったものとなるでしょう。
PCR検査の主たる目的は無症状感染者を認識し、その人たちが他の人に感染させないために濃厚接触をする機会を減少させることにあります。自覚症状がなくても感染者となり得る可能性があることを認識することで自粛の意味が明確になります。
また、休日の外出制限がニュースでは多く流れますが、実は平日の通勤者数はあまり減少していないという事実があります。テレワークの実施率は多くても3割それ以外の会社や職場での出勤率を半分にしても総合的な減少率は65%にしかならず目標の80%には遠く及びません。 更に、たとえ5割の出勤率としてもどのような人が出勤しているのでしょうか。
PCR検査を実施して陰性の人のみが出勤するようにしないと感染が広がります。ここでもPCR検査を広く実施する意義があります。
残念ながら現状では上記のような数字はきちっと把握されていませんので外出抑制で感染が抑制されるのかどうか判断できません。つまり個人で合理的な判断ができない状況ですから、政府の言うままに行動するか全く信用しないかどちらかの行動パターンにならざるを得ません。各個人は情報の開示を強く求め、自らの合理的な判断ができるようにすべきです。もちろんその結果は個人が負う必要がありますが、それをアカウンタビリティーと呼びます。日本とドイツの類似性は様々言われますが、この点では大きく異なるようです。
連日コロナ関連ニュースが溢れ、また自粛で閉じこもり生活が普通になってきていますが、それだからこそ個人の判断力が求められています。個人が合理的な判断をするためには、まず正確な情報が開示されていることが大切です。
情報に格差がなければ、どのような結論を出すかは各個人の判断力に委ねられますが、もし情報に格差があれば判断の良し悪しではなく情報量の多寡で結果が導かれてしまい社会的な不公平が生じてしまいます。一方で正確な情報が十分にあれば、判断の結果は個人の責任となります。
外出自粛要請とPCR検査の関連いついて考えてみましょう。PCR検査は何を目的として行うのでしょうか。新型コロナウィルスに関して言えば、大きな特徴が感染しても無症状である比率が高く8割もあるということです。感染すればほとんど症状が出るのであればPCR検査の意義は異なったものとなるでしょう。
PCR検査の主たる目的は無症状感染者を認識し、その人たちが他の人に感染させないために濃厚接触をする機会を減少させることにあります。自覚症状がなくても感染者となり得る可能性があることを認識することで自粛の意味が明確になります。
また、休日の外出制限がニュースでは多く流れますが、実は平日の通勤者数はあまり減少していないという事実があります。テレワークの実施率は多くても3割それ以外の会社や職場での出勤率を半分にしても総合的な減少率は65%にしかならず目標の80%には遠く及びません。 更に、たとえ5割の出勤率としてもどのような人が出勤しているのでしょうか。
PCR検査を実施して陰性の人のみが出勤するようにしないと感染が広がります。ここでもPCR検査を広く実施する意義があります。
残念ながら現状では上記のような数字はきちっと把握されていませんので外出抑制で感染が抑制されるのかどうか判断できません。つまり個人で合理的な判断ができない状況ですから、政府の言うままに行動するか全く信用しないかどちらかの行動パターンにならざるを得ません。各個人は情報の開示を強く求め、自らの合理的な判断ができるようにすべきです。もちろんその結果は個人が負う必要がありますが、それをアカウンタビリティーと呼びます。日本とドイツの類似性は様々言われますが、この点では大きく異なるようです。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
バックナンバーは下記URLよりご覧下さい。
BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
BMDリサーチ http://www.bmd-r.com