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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2019/7/19 その215 事実は一つでも真実は二つ?
先日の新聞に税収が過去最高になったという見出しの記事がありました。記事本文を読んでみると、これまでの最高を28年ぶりに更新したとのことです。確かに過去最高の税収ではありますが、2年振りとか3年振りに更新というなら見出し通りですが、28年振りとなれば約30年間税収の伸びが無かったということですから見出しの持つ雰囲気とはだいぶ異なります。過去最高という事実は正しいのですが、どのように評価するかということで見出しは『過去最高を更新』となるか『ようやく30年前の水準に』となるか描く人の判断によって変わってきます。
この同じ期間に他の国はどのような推移だったかということを調べてみると少なくとも2倍から3倍になっています。中進国(中国、インド、韓国その他)はさらに大きな数字になっていますが欧米の先進国も同程度の発展を遂げています。
このような事実を背景として考慮すると『過去最高を更新』という見出しはいささか的外れに感じてしまいます。
もし、日本も税収が2倍になっていたら約120兆円、一方で歳出は切り詰めた結果約105兆円ですから国債を発行しないでも収支はバランスが取れ幾らかの償還もでき、場合によっては消費税も5%でも十分だったかもしれません。
消費税率1%で歳入は2兆円ほど増加しますので、8%の消費税率が5%でもまだ9兆円ほど余裕があるということになります。
成長戦略とはこのようなことでしょう。これを実現するために何をしなくてはならないのかということが、今我々国民全体に課せられた課題であり、皆が真剣に考え、苦しくても実行することが求められています。
次回にどこで間違ったのかを検証してみましょう。
先日の新聞に税収が過去最高になったという見出しの記事がありました。記事本文を読んでみると、これまでの最高を28年ぶりに更新したとのことです。確かに過去最高の税収ではありますが、2年振りとか3年振りに更新というなら見出し通りですが、28年振りとなれば約30年間税収の伸びが無かったということですから見出しの持つ雰囲気とはだいぶ異なります。過去最高という事実は正しいのですが、どのように評価するかということで見出しは『過去最高を更新』となるか『ようやく30年前の水準に』となるか描く人の判断によって変わってきます。
この同じ期間に他の国はどのような推移だったかということを調べてみると少なくとも2倍から3倍になっています。中進国(中国、インド、韓国その他)はさらに大きな数字になっていますが欧米の先進国も同程度の発展を遂げています。
このような事実を背景として考慮すると『過去最高を更新』という見出しはいささか的外れに感じてしまいます。
もし、日本も税収が2倍になっていたら約120兆円、一方で歳出は切り詰めた結果約105兆円ですから国債を発行しないでも収支はバランスが取れ幾らかの償還もでき、場合によっては消費税も5%でも十分だったかもしれません。
消費税率1%で歳入は2兆円ほど増加しますので、8%の消費税率が5%でもまだ9兆円ほど余裕があるということになります。
成長戦略とはこのようなことでしょう。これを実現するために何をしなくてはならないのかということが、今我々国民全体に課せられた課題であり、皆が真剣に考え、苦しくても実行することが求められています。
次回にどこで間違ったのかを検証してみましょう。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
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BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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