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会計実務家コラム

会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。

田原中男氏の尖った提案

2018/11/15 その181 JRの計画運休

JRが前回の対応を考慮して計画運休を前日に発表するとしていますが、公共交通機関という観点から見るとJR独自に実施するのではなく他の交通ネットワーク(私鉄や地下鉄)との関連で決めるべきではないでしょうか。どこの都市でもJRと私鉄や地下鉄との相互乗り入れは当たり前になっているのにJRの部分のみを独自に運休してはかえって混乱が広がりかねなません。

先日のJR東日本の会見では伝達方法や決定時期に焦点があり、計画運休そのものが社会に与える影響全体についての言及はありませんでした。相互乗り入れや、多くの区間で代替経路があるという事実に全く言及せず、あたかも
JRが公共交通機関のすべてであるような内容で大変違和感を覚えました。

民営化されたと言ってもいまだに意識では私鉄より『偉い』というように見えます。外国語での通知やSNSの利用という伝達手段にのみ力点が置かれ、伝達さえできればそれで良しとして本質的な課題には言及していません。
例えば24時間前の情報では進路がずれたり、勢力が衰退した場合どうするのか相互乗り入れについてはどうするのかというような点の言及が全くありません。前にも書いたように知事やFEMA(連邦危機対応庁)のような行政機関が主導して行うべきではないだろうかと考えます。

一部の交通機関が運休と言うのは基本的に事故などで特定路線が止まった時と同様の反応が考えられます、つまり交通機関に危険が迫っているとは考えずに代替手段があれば多くの人が普段通り行動しようとするのです。したがってある地域全体としての整合性のある計画運休をしないと、代替路線を使った通勤通学はなくならない可能性が大きく、かえって混乱してしまいます。

それともJRは自分たちが止まれば他の交通機関も『右へ倣え』するとでも思っているのでしょうか。

コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏

1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。

田原中男氏の尖った提案 バックナンバー

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2018.5.8 その154 団塊の世代と大学闘争
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2018.4.17 その152 Pentagon Papers
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2017.05.17 その106 何故、コンサルは役に立たないのか?
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2017.04.16 その102 日本式経営、絶頂の30年、惰性の30年、そして衰退の30年
2017.04.09 その101 ワグナーの曲は美しいか?
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