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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2018/12/11 その184 三題噺 英米法とお上と忖度
新入管法を始めとした最近の法律を見ると、法律としての体裁が整っているのか不安になることがあります。
もともと、日本の法律は定義が曖昧で『xxx等』という表現が多く、『等』の詳細については『省令』や『通達』で決めているので、実質的な抜け穴あるいは拡大解釈の温床になっています。
日本の法体系が所謂『英米法』であれば、ゆるい法律と判例で解釈を定着化するのですが、日本ではこのような裁判はほとんどありません。判例を求める裁判では勝ち負けもさることながら法律の解釈を確認して定着させることがもう一つの大きな目的ですが、日本では裁判は勝たなければならないという意識が強く、曖昧な案件は裁判よりも示談、裁判官も判例を示すよりは示談を勧告し、自らの立場を強く主張しないことを望みます。
大陸法であれば法律に詳細な記述と定義があり、この段階で明確な定義をしています。現状では英米法的なゆるい法律と判例が無い世界になり、ここに忖度が入り込む余地があるのです。更に、いにしえからの『お上』意識が加わると、議論より丸く収めることが重要でまたまた忖度が入ってくることになり責任も不明確です。
それでもつい最近までは行政がそれなりに機能していて、極端なブレはなかったのですが、『官邸主導』となってから各省庁の力が削がれ、どこで何が決まっているのかわからなくなり『忖度満開』状態になってしまいました。民主主義も法体系も社会の在り方の中で存在するもので外形的に移入してもうまく運用できないどころか、思いもよらないところに弊害が生じてしまいます。
社会体制や意識を変えることは至難の技ですからせめて法律や行政の仕組みだけでも我々の社会に適したものを作り上げてゆく努力が必要です。会社の運営も同様で、海外の『社外取締役』や『委員会制度』を導入しても『魂』がなければうまく運用できませんし、会社規模に関わらず会社組織の在り方や会計基準が会社の都合で選択可能な状態ではまともな比較もできず健全ではありません。
新入管法を始めとした最近の法律を見ると、法律としての体裁が整っているのか不安になることがあります。
もともと、日本の法律は定義が曖昧で『xxx等』という表現が多く、『等』の詳細については『省令』や『通達』で決めているので、実質的な抜け穴あるいは拡大解釈の温床になっています。
日本の法体系が所謂『英米法』であれば、ゆるい法律と判例で解釈を定着化するのですが、日本ではこのような裁判はほとんどありません。判例を求める裁判では勝ち負けもさることながら法律の解釈を確認して定着させることがもう一つの大きな目的ですが、日本では裁判は勝たなければならないという意識が強く、曖昧な案件は裁判よりも示談、裁判官も判例を示すよりは示談を勧告し、自らの立場を強く主張しないことを望みます。
大陸法であれば法律に詳細な記述と定義があり、この段階で明確な定義をしています。現状では英米法的なゆるい法律と判例が無い世界になり、ここに忖度が入り込む余地があるのです。更に、いにしえからの『お上』意識が加わると、議論より丸く収めることが重要でまたまた忖度が入ってくることになり責任も不明確です。
それでもつい最近までは行政がそれなりに機能していて、極端なブレはなかったのですが、『官邸主導』となってから各省庁の力が削がれ、どこで何が決まっているのかわからなくなり『忖度満開』状態になってしまいました。民主主義も法体系も社会の在り方の中で存在するもので外形的に移入してもうまく運用できないどころか、思いもよらないところに弊害が生じてしまいます。
社会体制や意識を変えることは至難の技ですからせめて法律や行政の仕組みだけでも我々の社会に適したものを作り上げてゆく努力が必要です。会社の運営も同様で、海外の『社外取締役』や『委員会制度』を導入しても『魂』がなければうまく運用できませんし、会社規模に関わらず会社組織の在り方や会計基準が会社の都合で選択可能な状態ではまともな比較もできず健全ではありません。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
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BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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