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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2018/11/29 その183 徴用工の亡霊か?
入管法の改正案が国会で審議されています。
急速な人手不足に対応するため技能労働者の入国を増やそうという趣旨ですが、内容を精査すると来日する労働者の基本的人権をどのように考えているのか非常に曖昧です。労働力が足りないから海外から『労働力』を移入しようとして来日する『労働者』の立場を全く考慮していないように見えます。
・現行制度の課題はそもそも賃金が最低賃金以下:技能実習生だから労基法を適用しなくて良いのか。
・その低い賃金から宿泊費や食費を差引き手元に現金が残らない:何のために働くのか
・パスポートを保管してしまう:自由な行動ができない
全員がこのような状況ではないでしょうが残念ながら『タダ同然の安い労働力』としか認識しない雇用主が多いのは事実です。ここまで書いてやはり『徴用工』との相似を考えざるを得ません。
徴用工をおさらいしてみます。国家総動員法に基づき1939年7月に国民徴用令が施行され、1944年9月から朝鮮でも適用が始まった制度で、日本政府の労務動員計画によって毎年人員・配置先が決定され、日本国内および朝鮮で地域が割り当てられ計画人員の達成が目標とされた制度。
人手不足だから何が何でも労働力を確保したいということのみで、徴用される労働者の立場はほとんど無視されていました。今回の入管法改正の趣旨でも人手不足が待ったなしの状況だから早急な解決策が必要としていて根っこのところでの発想が全く同じです。
労働力不足は日本の問題、外国から日本に働きに来るのは本来的に自由意志つまり、どれだけ魅力的な制度を作り、その趣旨を各企業でも遵守することで成立しなければなりません。また、多くの国で実施しているように国が運営する文化・語学教育施設の充実も必要です。
現在の課題を正確に捉え、対策を立て、必要に応じて企業に対する罰則も強化する。ことが先決で、経団連等が率先して動くべきです。
入管法の改正案が国会で審議されています。
急速な人手不足に対応するため技能労働者の入国を増やそうという趣旨ですが、内容を精査すると来日する労働者の基本的人権をどのように考えているのか非常に曖昧です。労働力が足りないから海外から『労働力』を移入しようとして来日する『労働者』の立場を全く考慮していないように見えます。
・現行制度の課題はそもそも賃金が最低賃金以下:技能実習生だから労基法を適用しなくて良いのか。
・その低い賃金から宿泊費や食費を差引き手元に現金が残らない:何のために働くのか
・パスポートを保管してしまう:自由な行動ができない
全員がこのような状況ではないでしょうが残念ながら『タダ同然の安い労働力』としか認識しない雇用主が多いのは事実です。ここまで書いてやはり『徴用工』との相似を考えざるを得ません。
徴用工をおさらいしてみます。国家総動員法に基づき1939年7月に国民徴用令が施行され、1944年9月から朝鮮でも適用が始まった制度で、日本政府の労務動員計画によって毎年人員・配置先が決定され、日本国内および朝鮮で地域が割り当てられ計画人員の達成が目標とされた制度。
人手不足だから何が何でも労働力を確保したいということのみで、徴用される労働者の立場はほとんど無視されていました。今回の入管法改正の趣旨でも人手不足が待ったなしの状況だから早急な解決策が必要としていて根っこのところでの発想が全く同じです。
労働力不足は日本の問題、外国から日本に働きに来るのは本来的に自由意志つまり、どれだけ魅力的な制度を作り、その趣旨を各企業でも遵守することで成立しなければなりません。また、多くの国で実施しているように国が運営する文化・語学教育施設の充実も必要です。
現在の課題を正確に捉え、対策を立て、必要に応じて企業に対する罰則も強化する。ことが先決で、経団連等が率先して動くべきです。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
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BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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