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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2019/3/4 その196 無駄の効用
職場での朝のおしゃべり、会議のコーヒーブレイクといった時間は貴重ですが、世の中が世知辛くなってくると『無駄な時間』として排除してしまう傾向があるようです。ある車のデザイナーがイタリアで仕事をしていた時、仲間から『日本人はなぜ長時間仕事をするのか? 効率が悪いからではないか?』と指摘され愕然としたということを、前にも書きましたが、集中力とオンオフの使い分けといった観点から見ると日本人はどちらも苦手なようです。ちなみに私自身はコーヒーブレークが大好きで、この時に本音の話をするようにしていました。
公式の会議の場では、課題が難しいものであればあるほど、立場があってなかなか本音ベースで物が言えないこともありますし、妥協するにしても落とし所を探るのは会議の場では難しいことになりますので、コーヒーブレークなどを利用して実質的な交渉をするというような利用の仕方をしていましたが、このようなことはどこでも頻繁に行われています。
最近のように社内メールが普及してくると隣の人とも直接会話せず、メールでやり取りするようになり、朝のおしゃべり時間はなくなってしまいます。海外出張を盛んにしていた頃、空港で見かける風景で日本と異なるのはラウンジで長々と電話をしている人が沢山いるということです。随分仕事熱心だと思い、密かに何を話をしているのかと聞いてみたら、昇給や仕事のアサインメントという真面目なことを話していることもありますが、多くは秘書や仲間と無駄話をして時間を潰していました。しかし、このような気楽な話の中にビジネスのヒントがあったり、状況把握があったりして結構役に立っているのではないかという印象を持ったことが思い出されます。
人間、24時間緊張していることはできませんので、適度な息抜きが肝心です。ブラジルのサッカーと日本のサッカーとの差はゲーム中のリズムの変化の有無で技術はあってもリズムの変化をつけることがない日本チームの試合に楽しさが感じられないのは残念でもあるし、相手に脅威を与える度合いが少ないとも言えます。
真面目さは必ずしも常に正解ではないということを肝に命ずる必要があります。
職場での朝のおしゃべり、会議のコーヒーブレイクといった時間は貴重ですが、世の中が世知辛くなってくると『無駄な時間』として排除してしまう傾向があるようです。ある車のデザイナーがイタリアで仕事をしていた時、仲間から『日本人はなぜ長時間仕事をするのか? 効率が悪いからではないか?』と指摘され愕然としたということを、前にも書きましたが、集中力とオンオフの使い分けといった観点から見ると日本人はどちらも苦手なようです。ちなみに私自身はコーヒーブレークが大好きで、この時に本音の話をするようにしていました。
公式の会議の場では、課題が難しいものであればあるほど、立場があってなかなか本音ベースで物が言えないこともありますし、妥協するにしても落とし所を探るのは会議の場では難しいことになりますので、コーヒーブレークなどを利用して実質的な交渉をするというような利用の仕方をしていましたが、このようなことはどこでも頻繁に行われています。
最近のように社内メールが普及してくると隣の人とも直接会話せず、メールでやり取りするようになり、朝のおしゃべり時間はなくなってしまいます。海外出張を盛んにしていた頃、空港で見かける風景で日本と異なるのはラウンジで長々と電話をしている人が沢山いるということです。随分仕事熱心だと思い、密かに何を話をしているのかと聞いてみたら、昇給や仕事のアサインメントという真面目なことを話していることもありますが、多くは秘書や仲間と無駄話をして時間を潰していました。しかし、このような気楽な話の中にビジネスのヒントがあったり、状況把握があったりして結構役に立っているのではないかという印象を持ったことが思い出されます。
人間、24時間緊張していることはできませんので、適度な息抜きが肝心です。ブラジルのサッカーと日本のサッカーとの差はゲーム中のリズムの変化の有無で技術はあってもリズムの変化をつけることがない日本チームの試合に楽しさが感じられないのは残念でもあるし、相手に脅威を与える度合いが少ないとも言えます。
真面目さは必ずしも常に正解ではないということを肝に命ずる必要があります。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
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BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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