- TOP
- ≫ メッセージ
会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
田原中男氏の尖った提案
2018/12/17 その185 東大卒が日本をダメにする?
東大に合格するためにはそつなく点を稼ぐことが重要です。
結果として満遍なく平均点以上は取るが、この分野は絶対という人材が少なく学内でも新鮮な発想で新しい分野を切り拓くというよりは知識が多く、どんな課題にもそれなりの対応ができることが良い評価になり勝ちです。最高学府でありながら意外にノーベル賞受賞者が少ないのもこのような背景があり、自由な発想と上下の分け隔てない議論が学風としてある京大からのノーベル賞受賞者が多いのも納得できます。
もう一つ不思議なのは財務省のキャリア官僚のほとんどが法学部出身だということです。経済官庁である経産省と同じく日本全体の政策を財政的に担う財務省は経済学の知識と経験が必要だと考えられます。
国会議員に目を転ずると、司法試験合格者が少ないのも日本の特徴です。国会はいうまでもなく立法府ですから法律の知識は必須で、欧米の議員は司法関連の資格保持者が多く、あるいはほとんどが有資格者です。もちろん、司法資格取得の背景が異なり、日本のように極端に合格率が低い国ではの特徴とも言えます。
中国の科挙試験制度のように少数のエリートを選別するということで登用を狭き門にすることには一定の意味がありますが、日本の現状を見るとうまく運用されているとは考えられません。三権分立とはいうものの、現実には行政の力が圧倒的に強く立法府は行政のもとで下働きになってしまったような感があります。科挙試験制度のような厳しい選別を通過した人は活躍が司法に限定され、十分に能力の可能性を発揮できる場が少なくなっています。
会社内のジョブローテーションで人材育成をしてしまい、結果的に社内事情しかわからない人材を育成してしまっているように、国レベルでも各分野の人材交流が少ないことで多面的な考え方が育まれていません。平均点を取る人がどれだけ集まっても、新しい発想は生まれません。ある分野に抜きん出た人たちが相互に刺激しあう社会を作らないと組織全体が壊死してしまいます。
時代の要求が変われば、評価も変わらなければならないので、新ためて皆で考え直す時期が来ています。
東大に合格するためにはそつなく点を稼ぐことが重要です。
結果として満遍なく平均点以上は取るが、この分野は絶対という人材が少なく学内でも新鮮な発想で新しい分野を切り拓くというよりは知識が多く、どんな課題にもそれなりの対応ができることが良い評価になり勝ちです。最高学府でありながら意外にノーベル賞受賞者が少ないのもこのような背景があり、自由な発想と上下の分け隔てない議論が学風としてある京大からのノーベル賞受賞者が多いのも納得できます。
もう一つ不思議なのは財務省のキャリア官僚のほとんどが法学部出身だということです。経済官庁である経産省と同じく日本全体の政策を財政的に担う財務省は経済学の知識と経験が必要だと考えられます。
国会議員に目を転ずると、司法試験合格者が少ないのも日本の特徴です。国会はいうまでもなく立法府ですから法律の知識は必須で、欧米の議員は司法関連の資格保持者が多く、あるいはほとんどが有資格者です。もちろん、司法資格取得の背景が異なり、日本のように極端に合格率が低い国ではの特徴とも言えます。
中国の科挙試験制度のように少数のエリートを選別するということで登用を狭き門にすることには一定の意味がありますが、日本の現状を見るとうまく運用されているとは考えられません。三権分立とはいうものの、現実には行政の力が圧倒的に強く立法府は行政のもとで下働きになってしまったような感があります。科挙試験制度のような厳しい選別を通過した人は活躍が司法に限定され、十分に能力の可能性を発揮できる場が少なくなっています。
会社内のジョブローテーションで人材育成をしてしまい、結果的に社内事情しかわからない人材を育成してしまっているように、国レベルでも各分野の人材交流が少ないことで多面的な考え方が育まれていません。平均点を取る人がどれだけ集まっても、新しい発想は生まれません。ある分野に抜きん出た人たちが相互に刺激しあう社会を作らないと組織全体が壊死してしまいます。
時代の要求が変われば、評価も変わらなければならないので、新ためて皆で考え直す時期が来ています。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
バックナンバーは下記URLよりご覧下さい。
BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
BMDリサーチ http://www.bmd-r.com