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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2019/4/8 その202 企業利益は最高、しかし景気回復の実感がないのは何故?
最近の世論調査でも景気回復の実感はありますかという質問に対して大多数の回答が『否』です。何故でしょう。給料もそれなりに上がっていますが、それ以上に生活にかかるコストが高くなっているので相対的に可処分所得が増えていないことが原因でしょう。他の先進国に比べても日本のエンゲル係数は高い方です。又、都市部での生活費が高いのはどこの国でも共通ですが、リタイアしても都市部に住み続けるのは日本の特徴かもしれません。リタイアしたら、郊外にまたは田舎に行って良い空気の中でゆっくりと趣味の世界で暮らすという生活スタイルはそれほど馴染みのあるものではありません。理由の一つとして、文化格差、医療格差、新参者が入り込みにくい雰囲気などなど、様々なことが考えられます。
大都会で100㎡の家に住んでいたのであれば、田舎では300㎡のところに住めるので、税制を含め大胆な政策変更をすれば人口減少地域の活性化を含め37万?をより少ない人口で有効に利用する手立ては沢山ありそうです。
さて、最初の問いに戻りますが何故景気回復の実感がないのでしょうか。
*春闘の結果でもかつての数%の賃上げから3千円程度の賃上げになり賃金が上がった実感がない。
*生活維持に必要な食料品価格、医療保険、介護保険を含む医療費全体が値上がりしている。
*企業業績と従業員の景況感の一体感が薄れてしまった。海外展開で企業の利益は確保できているものの国内従業員に対する分配率は増加しない。
日本全体の経済が輸出主導から異なる位相への変換を迫られているのに円安による見かけの利益の増加(為替換算による)で国内産業の構造変換ができていないことが主因です。本社の伝票上の輸出は増加しても実態は国外から国外への輸出であり、国内産業への波及効果は小さく協力工場が疲弊し、地方経済も活性化しないことになっています。低賃金労働者を求めて外国人労働者が増加する一方で、都市部若年層の高付加価値な労働は増加していません。明るい未来、将来の発展が見えるような政策が求められます。
最近の世論調査でも景気回復の実感はありますかという質問に対して大多数の回答が『否』です。何故でしょう。給料もそれなりに上がっていますが、それ以上に生活にかかるコストが高くなっているので相対的に可処分所得が増えていないことが原因でしょう。他の先進国に比べても日本のエンゲル係数は高い方です。又、都市部での生活費が高いのはどこの国でも共通ですが、リタイアしても都市部に住み続けるのは日本の特徴かもしれません。リタイアしたら、郊外にまたは田舎に行って良い空気の中でゆっくりと趣味の世界で暮らすという生活スタイルはそれほど馴染みのあるものではありません。理由の一つとして、文化格差、医療格差、新参者が入り込みにくい雰囲気などなど、様々なことが考えられます。
大都会で100㎡の家に住んでいたのであれば、田舎では300㎡のところに住めるので、税制を含め大胆な政策変更をすれば人口減少地域の活性化を含め37万?をより少ない人口で有効に利用する手立ては沢山ありそうです。
さて、最初の問いに戻りますが何故景気回復の実感がないのでしょうか。
*春闘の結果でもかつての数%の賃上げから3千円程度の賃上げになり賃金が上がった実感がない。
*生活維持に必要な食料品価格、医療保険、介護保険を含む医療費全体が値上がりしている。
*企業業績と従業員の景況感の一体感が薄れてしまった。海外展開で企業の利益は確保できているものの国内従業員に対する分配率は増加しない。
日本全体の経済が輸出主導から異なる位相への変換を迫られているのに円安による見かけの利益の増加(為替換算による)で国内産業の構造変換ができていないことが主因です。本社の伝票上の輸出は増加しても実態は国外から国外への輸出であり、国内産業への波及効果は小さく協力工場が疲弊し、地方経済も活性化しないことになっています。低賃金労働者を求めて外国人労働者が増加する一方で、都市部若年層の高付加価値な労働は増加していません。明るい未来、将来の発展が見えるような政策が求められます。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
バックナンバーは下記URLよりご覧下さい。
BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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