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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2019/5/20 その208 高いエンゲル係数が貧困を生む
最近はあまり聞かれなくなりましたがエンゲル係数という尺度があります。可処分所得のうち、基本的な食費にかかる費用がどの程度になるかという指数です。所得が高くなっても生活に必要な食費は所得の低い人たちと比べても、何倍も高いわけではありませんので可処分所得に占める割合は低くなります。
2016年の日本のエンゲル係数は25.8%で、2005年の20%から上昇しています。諸外国と比較すると、アメリカは15.2%、ドイツは19.7%となりかなり高い水準にあることがわかります。もし、日本のエンゲル係数がアメリカ並みであれば月平均3万円以上の実質可処分所得の増加となります。
3万円をどのように使うかは各家庭によって異なりますが、月一回のちょっと贅沢な食事でも良いし、年2回の家族旅行でも良いし、結構使い出はあります。もう一つ、最近の働き方改革に連休でない時の有給休暇の取得の増加が加わるとより一層豊かな感じになります。もし、連休以外の平日に休暇が取れるようになると観光地の混雑も緩和されますし、宿泊代も安くなっています。この傾向が継続すると宿泊業にとっても設備稼働率が上がり、平日のみでなく休日料金も安く設定できますし、設備や人員の稼働の平準化ができて運営しやすくなります。
しかし、課題も沢山ありますので一つ一つ、クリアーしなければなりません。まず、子供達が学校を休むことに寛容でなければなりません。企業もしっかりした目標設定で社員が自ら仕事遂行の計画を立てられるようにならなければなりませんし、休みを取ることが評価のマイナスにならないような評価制度も必要です。
このように一つのことを達成しようとすると関連した制度や慣習も変化する必要があり、これが世の中を動かす原動力になります。
最近はあまり聞かれなくなりましたがエンゲル係数という尺度があります。可処分所得のうち、基本的な食費にかかる費用がどの程度になるかという指数です。所得が高くなっても生活に必要な食費は所得の低い人たちと比べても、何倍も高いわけではありませんので可処分所得に占める割合は低くなります。
2016年の日本のエンゲル係数は25.8%で、2005年の20%から上昇しています。諸外国と比較すると、アメリカは15.2%、ドイツは19.7%となりかなり高い水準にあることがわかります。もし、日本のエンゲル係数がアメリカ並みであれば月平均3万円以上の実質可処分所得の増加となります。
3万円をどのように使うかは各家庭によって異なりますが、月一回のちょっと贅沢な食事でも良いし、年2回の家族旅行でも良いし、結構使い出はあります。もう一つ、最近の働き方改革に連休でない時の有給休暇の取得の増加が加わるとより一層豊かな感じになります。もし、連休以外の平日に休暇が取れるようになると観光地の混雑も緩和されますし、宿泊代も安くなっています。この傾向が継続すると宿泊業にとっても設備稼働率が上がり、平日のみでなく休日料金も安く設定できますし、設備や人員の稼働の平準化ができて運営しやすくなります。
しかし、課題も沢山ありますので一つ一つ、クリアーしなければなりません。まず、子供達が学校を休むことに寛容でなければなりません。企業もしっかりした目標設定で社員が自ら仕事遂行の計画を立てられるようにならなければなりませんし、休みを取ることが評価のマイナスにならないような評価制度も必要です。
このように一つのことを達成しようとすると関連した制度や慣習も変化する必要があり、これが世の中を動かす原動力になります。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
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BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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