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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2019/7/22 その216 日本企業はどこで間違ったのか
産業政策というより企業戦略の間違いということになります。地球規模での変化を捉えられずに、国内での競争関係から得られた戦略に拘ってしまったとも言えます。
一つの例をソニーにとりましょう。
ソニーは戦後にできた会社で、製品のユニークさ、高い品質とデザインで他社と比較して1~2割高くても利益を確保しながら成長してきました。狙いはマーケットシェアではなく市場の上位5%を顧客層としてきたからです。最近の例で言えばJR九州の『ななつ星列車』のようなもので、シェアではなく内容で勝負、列車本数は限られますのでそれほど多くの顧客は必要ありませんが高価格は維持できます。ソニーに話を戻すと、ある時点からシェアを意識するようになり価格競争に巻き込まれてしまい、利益が取れずに徐々にジリ貧になってしまったのです。
過去にはカシオとシャープの激しい価格競争を見て電卓から撤退したのとは相当に違った経営判断でした。新しい商品カテゴリーを開発し、開発者利益を得た後は市場のトップ5%を狙った戦略に特化して利益を確保、その間に次の新商品カテゴリーを開発するという流れから逸脱したところからおかしくなりました。
台湾、韓国、中国企業との価格競争では勝てません。特にデジタル製品は中心となるICチップと基幹部品を使えば性能差はほとんどありませんのでどうしても価格競争になり、ボリュームゾーンでの品質競争は難しくなります。デジタル化が進んだ1990年代はじめの時点で戦略転換すべきでした。先週書いた過去の税収最大であった1990年と一致します。
アップルはMacから始まりiPod,iPhoneそしてiTuneと新しいカテゴリーを作り技術的には最高ではなくともデザインと品質の高さで高価格を維持しています。半導体の世界でもIntelはロジックICに特化し独占的な地位を築きましたが
東芝をはじめとした日本勢は価格競争に巻き込まれてしまったメモリーにしがみついた結果その地位を失いました。
企業戦略の差は明らかです。大きな地図を見られる企業トップの出現が望まれます。
産業政策というより企業戦略の間違いということになります。地球規模での変化を捉えられずに、国内での競争関係から得られた戦略に拘ってしまったとも言えます。
一つの例をソニーにとりましょう。
ソニーは戦後にできた会社で、製品のユニークさ、高い品質とデザインで他社と比較して1~2割高くても利益を確保しながら成長してきました。狙いはマーケットシェアではなく市場の上位5%を顧客層としてきたからです。最近の例で言えばJR九州の『ななつ星列車』のようなもので、シェアではなく内容で勝負、列車本数は限られますのでそれほど多くの顧客は必要ありませんが高価格は維持できます。ソニーに話を戻すと、ある時点からシェアを意識するようになり価格競争に巻き込まれてしまい、利益が取れずに徐々にジリ貧になってしまったのです。
過去にはカシオとシャープの激しい価格競争を見て電卓から撤退したのとは相当に違った経営判断でした。新しい商品カテゴリーを開発し、開発者利益を得た後は市場のトップ5%を狙った戦略に特化して利益を確保、その間に次の新商品カテゴリーを開発するという流れから逸脱したところからおかしくなりました。
台湾、韓国、中国企業との価格競争では勝てません。特にデジタル製品は中心となるICチップと基幹部品を使えば性能差はほとんどありませんのでどうしても価格競争になり、ボリュームゾーンでの品質競争は難しくなります。デジタル化が進んだ1990年代はじめの時点で戦略転換すべきでした。先週書いた過去の税収最大であった1990年と一致します。
アップルはMacから始まりiPod,iPhoneそしてiTuneと新しいカテゴリーを作り技術的には最高ではなくともデザインと品質の高さで高価格を維持しています。半導体の世界でもIntelはロジックICに特化し独占的な地位を築きましたが
東芝をはじめとした日本勢は価格競争に巻き込まれてしまったメモリーにしがみついた結果その地位を失いました。
企業戦略の差は明らかです。大きな地図を見られる企業トップの出現が望まれます。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
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BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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