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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2020/4/9 その250 日本型 緑の党
最近、ヨーロッパの選挙で「緑の党」のような政党が多くの支持を集め始めていますが日本ではほとんどありません、何故でしょうか。日本の置かれた状況は、まずエネルギー源がないということです。
古くは石炭が主力で水力と合わせてそれなりにエネルギー源を確保できていましたがそれでも昭和初期からの工業化と石油の重要性が増すなかで、結局石油資源を求めて太平洋戦争へと突き進んでゆきました。戦後は石油を中東に最大限の依存をし、さらに原子力の活用ということで安定した時期もありましたが、石油ショックと福島原発事故で奥底にあった不安が現実のものとなりました。
原子力は多くても全エネルギー供給の三分の一程度であり、ピーク時でも必要エネルギーの過半を供給することはありませんでしたので、やはり主力は石油と天然ガスという輸入エネルギーに頼らざるを得ないということでした。これからの世界を考えるとエネルギー源の多様化、国内確保が主要な論点になりますが、残念ながらそのような議論はあまりなされていません。本来的にこのような主張をしてきたのが「緑の党」と言われる政党です。
石炭からの転換を迫られ、ロシアへの天然ガス依存度が高いドイツで自前の風力発電に力を注ぎフランスからの原発電力の輸入削減を目指す中で「緑の党」が大きな力となったことも偶然ではありません。このように考えると、最も脆弱なエネルギー政策をとる日本で「緑の党」のような主張が出てこないのは不思議なことです。
コロナウィルスが広がるとトイレットペーパーの買い占めに走る心理のもとには資源が足りないという石油ショック時の記憶が蘇るからでしょうが、そうであれば普段からもっとエネルギー政策に関心を持つべきです。国民の多くが関心を持てば「緑の党」のような主張をする組織が育ってくる環境が整い、結果的に足腰の強い国になるのではないでしょうか。
自民独裁、だらしない野党という与野党の構図が定着しかけていますが、争点をエネルギー政策におけば古い与野党の対決構図が崩れ、新しい政策ドメインが出現し、若者の政治への関心も一気に盛り上がるのではないでしょうか。
最近、ヨーロッパの選挙で「緑の党」のような政党が多くの支持を集め始めていますが日本ではほとんどありません、何故でしょうか。日本の置かれた状況は、まずエネルギー源がないということです。
古くは石炭が主力で水力と合わせてそれなりにエネルギー源を確保できていましたがそれでも昭和初期からの工業化と石油の重要性が増すなかで、結局石油資源を求めて太平洋戦争へと突き進んでゆきました。戦後は石油を中東に最大限の依存をし、さらに原子力の活用ということで安定した時期もありましたが、石油ショックと福島原発事故で奥底にあった不安が現実のものとなりました。
原子力は多くても全エネルギー供給の三分の一程度であり、ピーク時でも必要エネルギーの過半を供給することはありませんでしたので、やはり主力は石油と天然ガスという輸入エネルギーに頼らざるを得ないということでした。これからの世界を考えるとエネルギー源の多様化、国内確保が主要な論点になりますが、残念ながらそのような議論はあまりなされていません。本来的にこのような主張をしてきたのが「緑の党」と言われる政党です。
石炭からの転換を迫られ、ロシアへの天然ガス依存度が高いドイツで自前の風力発電に力を注ぎフランスからの原発電力の輸入削減を目指す中で「緑の党」が大きな力となったことも偶然ではありません。このように考えると、最も脆弱なエネルギー政策をとる日本で「緑の党」のような主張が出てこないのは不思議なことです。
コロナウィルスが広がるとトイレットペーパーの買い占めに走る心理のもとには資源が足りないという石油ショック時の記憶が蘇るからでしょうが、そうであれば普段からもっとエネルギー政策に関心を持つべきです。国民の多くが関心を持てば「緑の党」のような主張をする組織が育ってくる環境が整い、結果的に足腰の強い国になるのではないでしょうか。
自民独裁、だらしない野党という与野党の構図が定着しかけていますが、争点をエネルギー政策におけば古い与野党の対決構図が崩れ、新しい政策ドメインが出現し、若者の政治への関心も一気に盛り上がるのではないでしょうか。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
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BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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