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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2019/12/16 その237 専門家とは
ニュースを見ていると、地震や火山の爆発と言った重大なことが起きたり、家庭内暴力に端を発した事件が起きると必ずと言って良いほど『専門家』の解説があります。また、最近話題になっている大学入試改革での英語の民間試験導入や数学、国語の記述式問題の導入で公平さを危惧する雰囲気になると、突然制度導入が延期になり『専門家』に検討を委ねるということもあります。しかし、入試に関して言えば導入時にも『専門家』による慎重な検討がなされその結果制度が導入されようとしていたわけですから、最初の検討段階での『専門家』と制度の見直しをする『専門家』とは何が違うのでしょうか。
冷静に考えると制度導入時の検討で既に、英語民間試験導入の危うさや、50万人が受験する記述式問題の採点を公平に行うことの困難さは十分に予見できたはずです。もし、これらのことが予見できないのであれば、『専門家』とはどんな人たちなの
でしょうか。つまり専門家のタイトルが都合よく利用されただけとも言えますし、本当は専門家は検討チームにはいなかったのかもしれません。もしこの程度のことが予見できないような『専門家』であれば、制度設計の担当者が箔をつけるために利用したのではないでしょうか。
私たちの周りにも、様々な公聴会やパブコメ(パブリックコメント)という名の格好をつけるための仕組みがあるのではないでしょうか。実態を見ると、江戸時代の高札がいきなり掲げられるのではなく、パブコメという順路を通って掲げられることになったのですが、実は高札は既に墨書されていた。ということでは江戸時代と変わらないということになります。
ニュースもすぐに信じることなく、常に疑問を持ち、自分の頭で理解することが大切です。もっとも、トランプ大統領のように自分に都合の悪い報道はなんでもフェイクニュースと言ってしまってはいけません。
ニュースを見ていると、地震や火山の爆発と言った重大なことが起きたり、家庭内暴力に端を発した事件が起きると必ずと言って良いほど『専門家』の解説があります。また、最近話題になっている大学入試改革での英語の民間試験導入や数学、国語の記述式問題の導入で公平さを危惧する雰囲気になると、突然制度導入が延期になり『専門家』に検討を委ねるということもあります。しかし、入試に関して言えば導入時にも『専門家』による慎重な検討がなされその結果制度が導入されようとしていたわけですから、最初の検討段階での『専門家』と制度の見直しをする『専門家』とは何が違うのでしょうか。
冷静に考えると制度導入時の検討で既に、英語民間試験導入の危うさや、50万人が受験する記述式問題の採点を公平に行うことの困難さは十分に予見できたはずです。もし、これらのことが予見できないのであれば、『専門家』とはどんな人たちなの
でしょうか。つまり専門家のタイトルが都合よく利用されただけとも言えますし、本当は専門家は検討チームにはいなかったのかもしれません。もしこの程度のことが予見できないような『専門家』であれば、制度設計の担当者が箔をつけるために利用したのではないでしょうか。
私たちの周りにも、様々な公聴会やパブコメ(パブリックコメント)という名の格好をつけるための仕組みがあるのではないでしょうか。実態を見ると、江戸時代の高札がいきなり掲げられるのではなく、パブコメという順路を通って掲げられることになったのですが、実は高札は既に墨書されていた。ということでは江戸時代と変わらないということになります。
ニュースもすぐに信じることなく、常に疑問を持ち、自分の頭で理解することが大切です。もっとも、トランプ大統領のように自分に都合の悪い報道はなんでもフェイクニュースと言ってしまってはいけません。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
バックナンバーは下記URLよりご覧下さい。
BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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