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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2019/10/16 その228 何故、企業に余剰資金があるのか
金利を下げても景気が回復しないのは、そもそも資金需要が少ないからです。それでは何故資金需要が少ないかといえば二つのことが考えらえます。まず、企業は余剰資金、いわゆる未処分利益、を抱え込んでいること。二つ目は投資先がないということ。
戦後長く続いた景気拡大局面では常に資金不足状態にあったので、金利が低下して借りやすくなると各企業とも借り入れを増やし、投資を実行しその結果売上が増大し利益を享受し、借入金を返済しつつ、更なる資金で企業活動拡大のための投資を実行しました。
ところが韓国、そして中国の台頭で輸出産業を中心とした製造業に大きな構造変化が起き、安価=>安価で高品質=>新技術による新製品というサイクルが回らなくなりましたが、企業戦略も政府の政策も旧態依然とした戦後成長期の戦略のままですから、世界の動きに対処できていません。ようやく企業買収によって世界規模の競争に参加し始めましたが、グローバルな企業統治のノウハウがないまま十分な効果を表さないどころか、場合によっては重荷になってしまっています。
グローバルな視点で企業戦略を考える人材が日本企業内では十分活躍できていないということです。その結果、円安と過去の遺産で収益は確保しているものの、余剰資金を投資する戦略が不在のまま資金を積み上げている状況です。これでは景気は良くならないばかりか世界の潮流から取り残されてしまいます。
グローバルに活躍できる人材の思い切った登用と、改善でなく改革を実施する勇気と、それらを後押しする政策が必要です。
金利を下げても景気が回復しないのは、そもそも資金需要が少ないからです。それでは何故資金需要が少ないかといえば二つのことが考えらえます。まず、企業は余剰資金、いわゆる未処分利益、を抱え込んでいること。二つ目は投資先がないということ。
戦後長く続いた景気拡大局面では常に資金不足状態にあったので、金利が低下して借りやすくなると各企業とも借り入れを増やし、投資を実行しその結果売上が増大し利益を享受し、借入金を返済しつつ、更なる資金で企業活動拡大のための投資を実行しました。
ところが韓国、そして中国の台頭で輸出産業を中心とした製造業に大きな構造変化が起き、安価=>安価で高品質=>新技術による新製品というサイクルが回らなくなりましたが、企業戦略も政府の政策も旧態依然とした戦後成長期の戦略のままですから、世界の動きに対処できていません。ようやく企業買収によって世界規模の競争に参加し始めましたが、グローバルな企業統治のノウハウがないまま十分な効果を表さないどころか、場合によっては重荷になってしまっています。
グローバルな視点で企業戦略を考える人材が日本企業内では十分活躍できていないということです。その結果、円安と過去の遺産で収益は確保しているものの、余剰資金を投資する戦略が不在のまま資金を積み上げている状況です。これでは景気は良くならないばかりか世界の潮流から取り残されてしまいます。
グローバルに活躍できる人材の思い切った登用と、改善でなく改革を実施する勇気と、それらを後押しする政策が必要です。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
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BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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