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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2019/9/30 その226 責任と結果責任
Responsibility『責任』は組織として誰に判断や決定の責任があるかということ。Accountabilityは『説明責任』と訳されていますが、これは誤訳で本当は『結果責任』とすべきでしょう。つまり組織上の責任権限にかかわらず、『起きてしまったことに対して誰かが責任を取らなければならない』とうことです。
東電の福島原発の事故について地裁の判断が出て、無罪ということになりました。2011年以前に地鎮研究者を除いて大多数の国民は貞観地鎮のことも知りませんし、これだけの津波が800年後に起こるとは想像していませんでした。地震発生後には1000年単位で天変地異が起きるという認識になりましたが、東北地震発生前にはそのような認識は共有されていなかったといって良いでしょう。このような観点から見ると責任(法律上の運営責任)の観点からは無罪という判断もあり得ることです。
しかし、Accountability=結果責任という意味では誰かが責任を取る必要があります。必ずしも刑法犯である必要はありませんが、社会的な制裁、社会的な補償は当然に求められます。東電のみならず、県や国の責任も重大ですが議論は広がっていません。却って行政は東電に責任を押し付けているようにも見えますが、基本的に半官半民の組織で国の原子力行政に基づいて事業を行なっていたのですから国にも結果責任があります。しかし、誰も言及していませんし、責任も取っていません。
法的責任ではなく、Accountabilityにもっと注目すべきで、これによって将来に対する改善がなされるのではないでしょうか。
Responsibility『責任』は組織として誰に判断や決定の責任があるかということ。Accountabilityは『説明責任』と訳されていますが、これは誤訳で本当は『結果責任』とすべきでしょう。つまり組織上の責任権限にかかわらず、『起きてしまったことに対して誰かが責任を取らなければならない』とうことです。
東電の福島原発の事故について地裁の判断が出て、無罪ということになりました。2011年以前に地鎮研究者を除いて大多数の国民は貞観地鎮のことも知りませんし、これだけの津波が800年後に起こるとは想像していませんでした。地震発生後には1000年単位で天変地異が起きるという認識になりましたが、東北地震発生前にはそのような認識は共有されていなかったといって良いでしょう。このような観点から見ると責任(法律上の運営責任)の観点からは無罪という判断もあり得ることです。
しかし、Accountability=結果責任という意味では誰かが責任を取る必要があります。必ずしも刑法犯である必要はありませんが、社会的な制裁、社会的な補償は当然に求められます。東電のみならず、県や国の責任も重大ですが議論は広がっていません。却って行政は東電に責任を押し付けているようにも見えますが、基本的に半官半民の組織で国の原子力行政に基づいて事業を行なっていたのですから国にも結果責任があります。しかし、誰も言及していませんし、責任も取っていません。
法的責任ではなく、Accountabilityにもっと注目すべきで、これによって将来に対する改善がなされるのではないでしょうか。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
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BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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