- TOP
- ≫ メッセージ
会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
田原中男氏の尖った提案
2019/8/26 その221 内定辞退率を購入? 販売?
報道では個人情報保護法の観点から学生個人に対しての説明が不明瞭な部分があったということですがこの説明には非常に違和感があリますし、あまりに表面的です。情報提供側の過去類似事例に基づく予測ないし確率の提供であって、本人の意思を確かめたものではありません。これは企業にとっては採用判断の放棄に他なりません
企業は自己責任で判断すべきであり、採用担当者はそのための実力を養成すべきであって人間を確率で論じるという姿勢そのものが社員をどう見ているかを表しています。内定辞退が多いのであれば、企業が十分に魅力を伝えられていないということで安易に統計的類推での数合わせ的な方策に頼るべきではないと感じます。採用は本人が当該企業で実力を発揮できるのかどうかを見極めることであって確率論ではありません。
金を払って、統計データを買っているようではノーベル賞並みの発明や画期的な商品開発をしてくれる人を惹きつけることはできないでしょうしそのことに気づくべきではないでしょうか。この情報を購入していた企業は一様に『採用判断には使っていない』と言っていますが、それでは何に利用しようとしていたのかという説明責任があります。
AIだITだとやたら計算ロジックに頼る時代になりましたが、人間の魅力はもっと違うことにあります。要するに採用担当者の自信のなさの表れではないでしょうか。辞退どころか、断るのに苦労するような魅力のある職場を作ることが先決でテクニックに走り、本質を忘れているような企業がグローバルな競争に勝てるとは思えません。大企業の安定した職場を求める学生を何百人集めても魅力のある企業にはならないことを肝に銘ずべきではないでしょうか。
このような本質論でなく、個人情報保護という形式論で議論がなされ、メディアも追求しないことに現代の課題が明確に出ているのではないでしょうか。学生こそ、声を上げて両方の企業を非難すべきです。
報道では個人情報保護法の観点から学生個人に対しての説明が不明瞭な部分があったということですがこの説明には非常に違和感があリますし、あまりに表面的です。情報提供側の過去類似事例に基づく予測ないし確率の提供であって、本人の意思を確かめたものではありません。これは企業にとっては採用判断の放棄に他なりません
企業は自己責任で判断すべきであり、採用担当者はそのための実力を養成すべきであって人間を確率で論じるという姿勢そのものが社員をどう見ているかを表しています。内定辞退が多いのであれば、企業が十分に魅力を伝えられていないということで安易に統計的類推での数合わせ的な方策に頼るべきではないと感じます。採用は本人が当該企業で実力を発揮できるのかどうかを見極めることであって確率論ではありません。
金を払って、統計データを買っているようではノーベル賞並みの発明や画期的な商品開発をしてくれる人を惹きつけることはできないでしょうしそのことに気づくべきではないでしょうか。この情報を購入していた企業は一様に『採用判断には使っていない』と言っていますが、それでは何に利用しようとしていたのかという説明責任があります。
AIだITだとやたら計算ロジックに頼る時代になりましたが、人間の魅力はもっと違うことにあります。要するに採用担当者の自信のなさの表れではないでしょうか。辞退どころか、断るのに苦労するような魅力のある職場を作ることが先決でテクニックに走り、本質を忘れているような企業がグローバルな競争に勝てるとは思えません。大企業の安定した職場を求める学生を何百人集めても魅力のある企業にはならないことを肝に銘ずべきではないでしょうか。
このような本質論でなく、個人情報保護という形式論で議論がなされ、メディアも追求しないことに現代の課題が明確に出ているのではないでしょうか。学生こそ、声を上げて両方の企業を非難すべきです。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
バックナンバーは下記URLよりご覧下さい。
BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
BMDリサーチ http://www.bmd-r.com