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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2020/1/20 その241 郵便のユニバーサルサービス
郵政3事業のトップが一斉に交代し新体制となりましたが、相変わらず役人出身で本当に改革ができるのだろうか疑問に感じます。基本となる郵便事業が本質的に赤字体質で、保険や金融事業の子会社が赤字を補填
するという体制で、しかも株式売却が進まず国が大株主のままでは子会社が自主的な経営をすることもままならず本質的な課題が解決されていないことが根本にあります。
ここで登場するのがユニバーサルサービスの維持とこれと裏腹の関係にある歴史的な特定郵便局の維持ということがあります。確かに人口減少で銀行の無いような地域での郵便局の存在は大きな意義がありますが
郵便と金融の分離で本来は郵便のユニバーサルサービスを維持することが目的なのに保険・金融をもたないと郵便事業が維持できないという矛盾があります。郵便に関して考えると宅配便もほとんどの地域をカバーしており、またEメール等の普及で広告を除いた郵便そのものは減少しているので事業の維持はますます困難になっています。本当に人口過疎になった地域を除けば保険・金融が郵便局に併設される必要は少ないのですが、上記のようにこれが無いと郵便事業が維持できないことになります。
一方で、人口が少なければ保険・金融事業も収益性は低くなり、このことも最近明らかになった違法な販売につながっている面もあります。冷静に分析すると、このような限界的な地域は非常に限られており、一定の条件で地域を指定しここでの事業は郵便・金融・保険を一体化した特別組織とし、国の補助金で運営しその他の地域では金融・保険は完全民営化し徹底的な競争をすることで効率化を目指してはどうだろうか。
ユニバーサルサービスの美名のもと非効率な経営が維持されているのではないだろうか。日本経済全体が低迷する中、このような改革を一つ一つ実施することで再び輝きを取り戻す日が来ることは間違いありません。
郵政3事業のトップが一斉に交代し新体制となりましたが、相変わらず役人出身で本当に改革ができるのだろうか疑問に感じます。基本となる郵便事業が本質的に赤字体質で、保険や金融事業の子会社が赤字を補填
するという体制で、しかも株式売却が進まず国が大株主のままでは子会社が自主的な経営をすることもままならず本質的な課題が解決されていないことが根本にあります。
ここで登場するのがユニバーサルサービスの維持とこれと裏腹の関係にある歴史的な特定郵便局の維持ということがあります。確かに人口減少で銀行の無いような地域での郵便局の存在は大きな意義がありますが
郵便と金融の分離で本来は郵便のユニバーサルサービスを維持することが目的なのに保険・金融をもたないと郵便事業が維持できないという矛盾があります。郵便に関して考えると宅配便もほとんどの地域をカバーしており、またEメール等の普及で広告を除いた郵便そのものは減少しているので事業の維持はますます困難になっています。本当に人口過疎になった地域を除けば保険・金融が郵便局に併設される必要は少ないのですが、上記のようにこれが無いと郵便事業が維持できないことになります。
一方で、人口が少なければ保険・金融事業も収益性は低くなり、このことも最近明らかになった違法な販売につながっている面もあります。冷静に分析すると、このような限界的な地域は非常に限られており、一定の条件で地域を指定しここでの事業は郵便・金融・保険を一体化した特別組織とし、国の補助金で運営しその他の地域では金融・保険は完全民営化し徹底的な競争をすることで効率化を目指してはどうだろうか。
ユニバーサルサービスの美名のもと非効率な経営が維持されているのではないだろうか。日本経済全体が低迷する中、このような改革を一つ一つ実施することで再び輝きを取り戻す日が来ることは間違いありません。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
バックナンバーは下記URLよりご覧下さい。
BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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