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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2019/12/25 その238 規制と責任回避は果てしなく続く
規則に縛られた行動を助長する外側からの規制と内からの責任回避から脱却できないと永遠に続く閉鎖的社会を崩して活力のある社会を築くことはできない。国営企業を民営化しても、そのトップに役所や重厚長大企業から天下っているのでは本当の民営化ではなく、単に天下り先が増えただけでその弊害は最近の事例を見れば明らかです。このような環境では個人の力は限られてしまい活力は出てきませんし経済が停滞するのも肯けます。
本当の民営化で、競争の激しい自動車や家電、スピードが要求される新興のIT系企業出身者がトップと役員の半分程度を占めるようになれば大きな改革が見られるようになるでしょう。また、大幅な規制撤廃、むしろ全ての規制を一時全廃し問題が発生したら見直すようにでもしないといけません。民主主義と市場原理は手間隙がかかり、必ず行き過ぎがあるものですがそれでも民主主義と市場原理を維持したいならこれらはコストとして許容しなければなりませんが、それと同時に最低限のセーフティネットは政府が提供することで、もし失敗しても再度挑戦する機会が提供されます。
効率のみを考慮すれば中国式市場経済は相当な成果を上げていることを認めなければなりませんが独創的なアイデアが生まれる環境は少ないようです。情報過多の時代には素晴らしいアイデアは企業化される前に世界中に広まりアイデアよりも企業化スピードの競争になってきていますので、この限りでは社会主義型市場経済も大きなメリットがあります。
しかしながらかつての日本がそうであったようにどこかで後追い型経済は頭打ちになり、それからの脱皮が大きな課題になります。このような状況にいち早く到達した日本は何年も前から脱却のシナリオが求められていたもののいまだに回答を見つけていません。基本は規則を破る勇気と責任を明確に取ることだと思います。
この二つは幕末・明治初年の日本にあったのに150年後の現代の日本にないものです。
規則に縛られた行動を助長する外側からの規制と内からの責任回避から脱却できないと永遠に続く閉鎖的社会を崩して活力のある社会を築くことはできない。国営企業を民営化しても、そのトップに役所や重厚長大企業から天下っているのでは本当の民営化ではなく、単に天下り先が増えただけでその弊害は最近の事例を見れば明らかです。このような環境では個人の力は限られてしまい活力は出てきませんし経済が停滞するのも肯けます。
本当の民営化で、競争の激しい自動車や家電、スピードが要求される新興のIT系企業出身者がトップと役員の半分程度を占めるようになれば大きな改革が見られるようになるでしょう。また、大幅な規制撤廃、むしろ全ての規制を一時全廃し問題が発生したら見直すようにでもしないといけません。民主主義と市場原理は手間隙がかかり、必ず行き過ぎがあるものですがそれでも民主主義と市場原理を維持したいならこれらはコストとして許容しなければなりませんが、それと同時に最低限のセーフティネットは政府が提供することで、もし失敗しても再度挑戦する機会が提供されます。
効率のみを考慮すれば中国式市場経済は相当な成果を上げていることを認めなければなりませんが独創的なアイデアが生まれる環境は少ないようです。情報過多の時代には素晴らしいアイデアは企業化される前に世界中に広まりアイデアよりも企業化スピードの競争になってきていますので、この限りでは社会主義型市場経済も大きなメリットがあります。
しかしながらかつての日本がそうであったようにどこかで後追い型経済は頭打ちになり、それからの脱皮が大きな課題になります。このような状況にいち早く到達した日本は何年も前から脱却のシナリオが求められていたもののいまだに回答を見つけていません。基本は規則を破る勇気と責任を明確に取ることだと思います。
この二つは幕末・明治初年の日本にあったのに150年後の現代の日本にないものです。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
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BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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