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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2020/3/26 その248 新型コロナウイルスに対して その2
人が集まることを極力避けて感染を防ごうという発想そのものは間違っていないのですが感染経路や感染の実態が不明なままでは必ずしも十分な対策とは言えません。しかし、実態が分かるのは相当先になりますので明確な対応策は打てないのも事実です。
このような時には、何をすれば良いのでしょうか。
まずは、最悪シナリオの策定です。最悪シナリオで必要な対策を具体的に列挙してその準備を行いますが、不明確なことが多いので準備も複数トラックで行わなければならないので効率は悪くなります。そしてそのシナリオに含まれる検証項目を明示して実際との対比をおこなう。次に対比した結果から現状がどのレベルにあるのか、そしてどちらに向かっているのかによってそれぞれのレベルに合った対策を立案し、準備するという手順になります。
このような手法は幅広い準備が必要なので、現状認識ができたら徐々に縮小することはできても初期の時間、手間とコストがかかります。
しかし最悪の状況に対する備えはできますので周囲に対する不安感は少なくなります。これに対し、過去数週間のコロナウィルス対策は「それほどひどくならない」という前提で対策が後手後手になっていますし、必要な情報収集の範囲とスピードが少なくまた遅いと言えます。その結果、不安感が醸成され市民レベルで個々人の判断による行動が更なる不安を助長するという結果になっています。
感染者数は通常のインフルエンザと比較すればはるかに少ないので、しっかりした情報と指示があれば対応はできる筈ですが、情報不足のために行動が膨張し、その結果さらに混乱を恐れて情報が制約されています。
専門家と危機対応のできるリーダーが全権限を持って全体を統括しないと混乱に拍車がかかりますし、明確な指示と筋道の立った説明が不可欠ですが、今回の対応は不明確で信頼感がないためにトイレットペーパーの買い占めのような事態が発生してしまいます。マスクについても有効性は限定的なのに公的機関の発表の場でもマスクのまま行いますので、マスクは必要不可欠だという印象を与えてしまい、却ってリスクが増大してしまうかもしれません。
このような状況を見るともっと大きな災害の場合の対応策に不安があります。
人が集まることを極力避けて感染を防ごうという発想そのものは間違っていないのですが感染経路や感染の実態が不明なままでは必ずしも十分な対策とは言えません。しかし、実態が分かるのは相当先になりますので明確な対応策は打てないのも事実です。
このような時には、何をすれば良いのでしょうか。
まずは、最悪シナリオの策定です。最悪シナリオで必要な対策を具体的に列挙してその準備を行いますが、不明確なことが多いので準備も複数トラックで行わなければならないので効率は悪くなります。そしてそのシナリオに含まれる検証項目を明示して実際との対比をおこなう。次に対比した結果から現状がどのレベルにあるのか、そしてどちらに向かっているのかによってそれぞれのレベルに合った対策を立案し、準備するという手順になります。
このような手法は幅広い準備が必要なので、現状認識ができたら徐々に縮小することはできても初期の時間、手間とコストがかかります。
しかし最悪の状況に対する備えはできますので周囲に対する不安感は少なくなります。これに対し、過去数週間のコロナウィルス対策は「それほどひどくならない」という前提で対策が後手後手になっていますし、必要な情報収集の範囲とスピードが少なくまた遅いと言えます。その結果、不安感が醸成され市民レベルで個々人の判断による行動が更なる不安を助長するという結果になっています。
感染者数は通常のインフルエンザと比較すればはるかに少ないので、しっかりした情報と指示があれば対応はできる筈ですが、情報不足のために行動が膨張し、その結果さらに混乱を恐れて情報が制約されています。
専門家と危機対応のできるリーダーが全権限を持って全体を統括しないと混乱に拍車がかかりますし、明確な指示と筋道の立った説明が不可欠ですが、今回の対応は不明確で信頼感がないためにトイレットペーパーの買い占めのような事態が発生してしまいます。マスクについても有効性は限定的なのに公的機関の発表の場でもマスクのまま行いますので、マスクは必要不可欠だという印象を与えてしまい、却ってリスクが増大してしまうかもしれません。
このような状況を見るともっと大きな災害の場合の対応策に不安があります。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
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BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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