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会計実務家コラム
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業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2020/5/11 その256 禅問答で鍛えられた合理的思考
何事につけても日本人は情緒的と言われますが、江戸時代までは合理的な思考が主流でした。もっとも徳川幕府による藩体制維持のための儒教的主従関係を求めたあたりから少し様子が異なってきました。徳川幕府の支配構造は一般的に考えられているような中世の西欧社会のような封建的主従関係ではなく、徳川幕府と各藩の朝廷に対する立場は同等でしたが実質的な武力と財力の差が徳川家をして他藩を支配する源となり統一政権が成立していたのです。
西欧的基準でいえば、支配家系は他の領地を持つ家系に対して上下の支配構造を持ちローマ教皇から認知され、のちに王権神授説に基づく絶対的な支配権を確保したのです。このため、徳川家による支配を盤石にするために儒教的な主従関係、つまり不合理な思想を広めたのでした。
個人レベルでは禅問答のような合理的、あるいは哲学的な思考が生きていたため幕末から明治初年にかけて欧米に派遣された日本人は非常に合理的な思考を持ち受け入れた欧米諸国では驚きをもって記録され、同時に日本の将来に対して大きな危惧を持つようになっていました。当時の植民地政策で得られた他のアジア、アフリカ諸国との合理的な思考の発展度合が彼らをしてそのような恐れを持たせたのです。
今のように困難な時代にこそ、このような合理的な思考方法を再び主流とし未曾有の難関を乗り越えようではありませんか。
何事につけても日本人は情緒的と言われますが、江戸時代までは合理的な思考が主流でした。もっとも徳川幕府による藩体制維持のための儒教的主従関係を求めたあたりから少し様子が異なってきました。徳川幕府の支配構造は一般的に考えられているような中世の西欧社会のような封建的主従関係ではなく、徳川幕府と各藩の朝廷に対する立場は同等でしたが実質的な武力と財力の差が徳川家をして他藩を支配する源となり統一政権が成立していたのです。
西欧的基準でいえば、支配家系は他の領地を持つ家系に対して上下の支配構造を持ちローマ教皇から認知され、のちに王権神授説に基づく絶対的な支配権を確保したのです。このため、徳川家による支配を盤石にするために儒教的な主従関係、つまり不合理な思想を広めたのでした。
個人レベルでは禅問答のような合理的、あるいは哲学的な思考が生きていたため幕末から明治初年にかけて欧米に派遣された日本人は非常に合理的な思考を持ち受け入れた欧米諸国では驚きをもって記録され、同時に日本の将来に対して大きな危惧を持つようになっていました。当時の植民地政策で得られた他のアジア、アフリカ諸国との合理的な思考の発展度合が彼らをしてそのような恐れを持たせたのです。
今のように困難な時代にこそ、このような合理的な思考方法を再び主流とし未曾有の難関を乗り越えようではありませんか。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
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BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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