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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2020/4/15 その251 警察組織にみる彼我の差
海外のミステリーもののTV番組が好きで色々みていますが、最近ふと感じたことがあります。刑事コロンボでも英国のOxford FileやVeraを見ても、捜査の主役は担当警部であり上司の主任警部はいるもののほとんど捜査には関わりません。
一方で、日本の同じような番組では主役は捜査一課長ではあるものの最終的な決定権は管理官にあり現場の状況というより組織の都合で捜査方針を決める傾向が強く働くような設定になっています。
キャリア官僚の管理官は自らの出世に影響がないように捜査方針への強い意向が働いているように描かれています。勿論、現実にはテレビ番組のストーリーとは異なるのでしょうが象徴的なことはキャリアと現場実務者の力関係です。
警察に限らず日本の組織の場合は官公庁に限らず多くの大企業で似たような傾向があるのではないでしょうか、そしてそのことが行動力や判断力にマイナスの影響を与えているのではないかと察します。過去の不祥事を例にとるまでもなく、品質に関わる虚偽申告、事故に繋がりかねない状況報告の隠蔽も多くはこのような組織体質が根本的な原因ではないかと疑われます。役所の書類改竄、書類破棄も同列に考えられます。
最初の話題に戻ると組織運営の考え方の差が大きな要素ではないかと思います。犯罪捜査のようにプロの経験と知識が必要な分野では、現場に判断の主体を置く欧米の考え方と、あくまでも組織上の責任の所在を重視する日本のあり方です。経験と知識が生かされない職場は進歩が少なく、衰退するか硬直化するかどちらかに行き着きます。
それにつけてもコロナ感染の対応でスピード感と出された方針をどのように実行するのかという現場で最も大切な指針が示されず、第一線で実務に携わる人に丸投げし、責任転嫁しているようでは情けなくなります。しっかりした対策を素早く確立し、比較的安定している台湾やドイツと、もともと政局が安定していなかったイタリー、スペインそしてアメリカで感染者数が急増していることに何か因果関係があるように思えます。
ドイツは人口10万人あたりの集中治療室、人工呼吸器が多いので安心してPRC検査を実施でき、知らずに感染を拡大している若年層も積極的に検査を実施して拡散を防いだとのこと。日本は集中治療室も人工呼吸器も少なく、その為に病院に来る人数を制限しようという発想があったと考えるのはうがりすぎでしょうか。
海外のミステリーもののTV番組が好きで色々みていますが、最近ふと感じたことがあります。刑事コロンボでも英国のOxford FileやVeraを見ても、捜査の主役は担当警部であり上司の主任警部はいるもののほとんど捜査には関わりません。
一方で、日本の同じような番組では主役は捜査一課長ではあるものの最終的な決定権は管理官にあり現場の状況というより組織の都合で捜査方針を決める傾向が強く働くような設定になっています。
キャリア官僚の管理官は自らの出世に影響がないように捜査方針への強い意向が働いているように描かれています。勿論、現実にはテレビ番組のストーリーとは異なるのでしょうが象徴的なことはキャリアと現場実務者の力関係です。
警察に限らず日本の組織の場合は官公庁に限らず多くの大企業で似たような傾向があるのではないでしょうか、そしてそのことが行動力や判断力にマイナスの影響を与えているのではないかと察します。過去の不祥事を例にとるまでもなく、品質に関わる虚偽申告、事故に繋がりかねない状況報告の隠蔽も多くはこのような組織体質が根本的な原因ではないかと疑われます。役所の書類改竄、書類破棄も同列に考えられます。
最初の話題に戻ると組織運営の考え方の差が大きな要素ではないかと思います。犯罪捜査のようにプロの経験と知識が必要な分野では、現場に判断の主体を置く欧米の考え方と、あくまでも組織上の責任の所在を重視する日本のあり方です。経験と知識が生かされない職場は進歩が少なく、衰退するか硬直化するかどちらかに行き着きます。
それにつけてもコロナ感染の対応でスピード感と出された方針をどのように実行するのかという現場で最も大切な指針が示されず、第一線で実務に携わる人に丸投げし、責任転嫁しているようでは情けなくなります。しっかりした対策を素早く確立し、比較的安定している台湾やドイツと、もともと政局が安定していなかったイタリー、スペインそしてアメリカで感染者数が急増していることに何か因果関係があるように思えます。
ドイツは人口10万人あたりの集中治療室、人工呼吸器が多いので安心してPRC検査を実施でき、知らずに感染を拡大している若年層も積極的に検査を実施して拡散を防いだとのこと。日本は集中治療室も人工呼吸器も少なく、その為に病院に来る人数を制限しようという発想があったと考えるのはうがりすぎでしょうか。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
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BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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