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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2020/5/1 その255 発言が無いのはどうしたことか
普段なら景気について発言のある経済団体、特に経団連からほとんど発言が無いのはどういうことなのか。
コロナパンデミックで世界中の仕組みが突然崩れ、グローバルな流通システムも完全に崩壊、しかも石油生産をめぐる主導権争いで備蓄設備が満タンになっているのに石油生産国間の合意が得られず、コロナ騒ぎが沈静化しても石油生産をめぐる主導権争いは継続するような事態になっています。資源がなく、生産も中国や発展途上国に頼っていて今までのシステムが崩壊することはそのまま日本の基盤が根本から揺さぶられる事態ですが、経済活動の旗艦的存在である経済団体は沈黙を守っています。
政府の無策に対して例えば次のような提案をしたら国民一般からどのように受け取られるのでしょうか。
1.従業員の雇用を維持し、給与の7割を支払う。
2.取引業者に対しては契約を継続し、当該会社が雇用を維持していれば過去1年間の平均取引量の6割を協力金として支払う。
3.その上で政府に対して金融機関への保証を求め、必要な融資枠を設定する。
雇用が維持され、従業員は減額されても一定の収入保証がある。取引業者も実際の取引が停止ていても一定の売り上げが確保され、その従業員も給与が支払われる。
その上で、政府に対して中小個人経営会社への一定の給与保証を求める資金は、結果的に長期にわたって税金で賄う必要がありますが、逆にこれにより国民全員が将来の財政政策、国家予算に強い関心を持つようになり、最終的には政治や官僚に対する牽制力となり、多くの人が政治に関心を持つようになる。せめてこの程度の提案を、政府に気兼ねせず発信する能力がなければ一体誰のための、何のための経済団体なのだろうか。
かつては石坂泰三や土光敏夫のような人物が大いに政府に注文をつけ、政策を意見具申していたのに、今や内閣の飼い犬のように静かになってしまったのは残念。いうまでも無いことですが、大企業の役員は報酬の半分を寄付し、その資金で“居酒屋救済ファンド”を作りいつもお世話になっている居酒屋さんを援助したら人気を拍すること間違いなし。
外出規制にもかかわらず鎌倉が大混雑、周辺道路で突然道路工事をして通行止めにすれば法律を作らなくてもすぐできる、知恵者がいないのも残念。
普段なら景気について発言のある経済団体、特に経団連からほとんど発言が無いのはどういうことなのか。
コロナパンデミックで世界中の仕組みが突然崩れ、グローバルな流通システムも完全に崩壊、しかも石油生産をめぐる主導権争いで備蓄設備が満タンになっているのに石油生産国間の合意が得られず、コロナ騒ぎが沈静化しても石油生産をめぐる主導権争いは継続するような事態になっています。資源がなく、生産も中国や発展途上国に頼っていて今までのシステムが崩壊することはそのまま日本の基盤が根本から揺さぶられる事態ですが、経済活動の旗艦的存在である経済団体は沈黙を守っています。
政府の無策に対して例えば次のような提案をしたら国民一般からどのように受け取られるのでしょうか。
1.従業員の雇用を維持し、給与の7割を支払う。
2.取引業者に対しては契約を継続し、当該会社が雇用を維持していれば過去1年間の平均取引量の6割を協力金として支払う。
3.その上で政府に対して金融機関への保証を求め、必要な融資枠を設定する。
雇用が維持され、従業員は減額されても一定の収入保証がある。取引業者も実際の取引が停止ていても一定の売り上げが確保され、その従業員も給与が支払われる。
その上で、政府に対して中小個人経営会社への一定の給与保証を求める資金は、結果的に長期にわたって税金で賄う必要がありますが、逆にこれにより国民全員が将来の財政政策、国家予算に強い関心を持つようになり、最終的には政治や官僚に対する牽制力となり、多くの人が政治に関心を持つようになる。せめてこの程度の提案を、政府に気兼ねせず発信する能力がなければ一体誰のための、何のための経済団体なのだろうか。
かつては石坂泰三や土光敏夫のような人物が大いに政府に注文をつけ、政策を意見具申していたのに、今や内閣の飼い犬のように静かになってしまったのは残念。いうまでも無いことですが、大企業の役員は報酬の半分を寄付し、その資金で“居酒屋救済ファンド”を作りいつもお世話になっている居酒屋さんを援助したら人気を拍すること間違いなし。
外出規制にもかかわらず鎌倉が大混雑、周辺道路で突然道路工事をして通行止めにすれば法律を作らなくてもすぐできる、知恵者がいないのも残念。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
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BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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