- TOP
- ≫ メッセージ
会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
田原中男氏の尖った提案
2020/5/26 その259 信条と信念
政治家に限らず、人間にとって大切なことの一つに心情と信念があります。その上で、信条を実現するための戦略がありますし、さらに戦略を実行する戦術があります。これらに統一性があることをINTEGRITYと呼び大変重要なことで、多くの国ではINTEGRITYのないことはその人の人格判断の大きな要素となっています。
新渡戸稲造の『武士道』にも書かれていますが、この時代までは日本でも大切な考え方、そして生きる上での指標となっていて別の言葉では『道徳』とも呼ばれていました。因みによく言われるアカウンタビリティーとは正にこのことです。
自分の信条と照らして自分の行動を判断し、その結果を説明するということでそこに差異があれば当然責任を伴います。説明責任とは事情の説明ではなく自分の信条と照らしてどう考えるのか、その結果としてどのような責任を取るのかということです。戦後の思想的混乱の中で失われた価値の一つかもしれませんが、本質的な考え方なので本当は時代が変わってもなくなるものではありません。
最近文科省が唱えている『道徳教育』とは全く異質なものです。バブル崩壊以降の低迷の中でますますこのように本質的な価値が失われてしまうことは悲しいことですが、同時にだからこそ世界の中で取り残されつつある国になってしまったのではないでしょうか。
思想信条は外部から強制されるものではなく、各個人がそれぞれの環境と信念に基づき自ら築き上げ、それを土台に議論をすることで個の確立と発想の展開が見込めます。
明治の開国以来、諸外国に追いつき追い越せが全ての土台になり、創意工夫と努力を重ねてきたのですが1989年に追いついたと思った途端にバブルが弾け、次の展開を考える余裕もなくまた追いつく対象が曖昧になってしまったことで喪失感があるのかもしれません。
もう一度原点に戻って外に目標を立てるのではなく自分自身の中に強固な目標を打ち立てる努力をしようではありませんか。
政治家に限らず、人間にとって大切なことの一つに心情と信念があります。その上で、信条を実現するための戦略がありますし、さらに戦略を実行する戦術があります。これらに統一性があることをINTEGRITYと呼び大変重要なことで、多くの国ではINTEGRITYのないことはその人の人格判断の大きな要素となっています。
新渡戸稲造の『武士道』にも書かれていますが、この時代までは日本でも大切な考え方、そして生きる上での指標となっていて別の言葉では『道徳』とも呼ばれていました。因みによく言われるアカウンタビリティーとは正にこのことです。
自分の信条と照らして自分の行動を判断し、その結果を説明するということでそこに差異があれば当然責任を伴います。説明責任とは事情の説明ではなく自分の信条と照らしてどう考えるのか、その結果としてどのような責任を取るのかということです。戦後の思想的混乱の中で失われた価値の一つかもしれませんが、本質的な考え方なので本当は時代が変わってもなくなるものではありません。
最近文科省が唱えている『道徳教育』とは全く異質なものです。バブル崩壊以降の低迷の中でますますこのように本質的な価値が失われてしまうことは悲しいことですが、同時にだからこそ世界の中で取り残されつつある国になってしまったのではないでしょうか。
思想信条は外部から強制されるものではなく、各個人がそれぞれの環境と信念に基づき自ら築き上げ、それを土台に議論をすることで個の確立と発想の展開が見込めます。
明治の開国以来、諸外国に追いつき追い越せが全ての土台になり、創意工夫と努力を重ねてきたのですが1989年に追いついたと思った途端にバブルが弾け、次の展開を考える余裕もなくまた追いつく対象が曖昧になってしまったことで喪失感があるのかもしれません。
もう一度原点に戻って外に目標を立てるのではなく自分自身の中に強固な目標を打ち立てる努力をしようではありませんか。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
バックナンバーは下記URLよりご覧下さい。
BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
BMDリサーチ http://www.bmd-r.com