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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2021/1/12 その288 デジタル化は言葉の定義とデータ共通化
突然デジタル化が唱えられていますが、早急な実現は難しいでしょう。まず言葉の明確な定義が必要ですが多くの法律は解釈可能な文章になっていて特に「等」という言葉が多用されていて、官公庁にとっては解釈でどうにでも適用できる便利な言葉ですが、デジタル化しようとすると障害になります。
言葉の定義に従ってデータは数値化され記録されますが、その基礎となる定義が曖昧ではデータ化された数値の有効性に疑義が生じてしまいます。百歩譲ってデータ化できたとしても次の課題はデータの共通化です。全てのデータが同じ定義に基づき個々のシステム内に記憶されていなければ集計も分析もできません。
少しわかりやすく最近の新型コロナ感染症に例をとって考えてみます。一つの指標として「重症者」と「受け入れ可能病床数」がありますが現状では各都道府県によって定義が異なるので現状では集計、比較は困難です。また、「受け入れ可能病床数」についても必ずしも今すぐ患者の受け入れが可能なベッド数ではなく、行政が拡大要請している将来可能なベッド数であり設備、人員ロジスティックを考慮した結果ではないので、いつ、またどの様にすれば可能なのかは不明ですし主観的判断が入り込んでいます。
データの共通化はこれらの数字が同じ定義に基づいていることを前提に集計、分析されるので共通化しようとしているデータが全て個別システムに蓄積されている必要がありますから、監督官庁は必要データを認定し、そこに含まれるデータ内容を公開し関連システムの管理者に指示し実行させなければなりません。各システム管理者はこれらを最低必要データとし、その他追加データが必要であればそれらを追加するということになります。
ゼロからスタートするのであれば比較的簡単ですが、既存のシステムやデータを改修するのであれば莫大な時間と費用がかかりそれを指示できる協力な力が不可欠です。
たったこれだけのことでも大変な努力が必要ですしシステム改修にも莫大な費用が
かかります
しかし、やらなければならいことですから時間をかけて
何故、何が、どうして必要なのかを
広く知らしめることが肝心でしょう
因みに必ず話題になる「マイナンバー」は上記3つが不明ですからいくら呼び掛け
ても登録が少ないのでしょう
突然デジタル化が唱えられていますが、早急な実現は難しいでしょう。まず言葉の明確な定義が必要ですが多くの法律は解釈可能な文章になっていて特に「等」という言葉が多用されていて、官公庁にとっては解釈でどうにでも適用できる便利な言葉ですが、デジタル化しようとすると障害になります。
言葉の定義に従ってデータは数値化され記録されますが、その基礎となる定義が曖昧ではデータ化された数値の有効性に疑義が生じてしまいます。百歩譲ってデータ化できたとしても次の課題はデータの共通化です。全てのデータが同じ定義に基づき個々のシステム内に記憶されていなければ集計も分析もできません。
少しわかりやすく最近の新型コロナ感染症に例をとって考えてみます。一つの指標として「重症者」と「受け入れ可能病床数」がありますが現状では各都道府県によって定義が異なるので現状では集計、比較は困難です。また、「受け入れ可能病床数」についても必ずしも今すぐ患者の受け入れが可能なベッド数ではなく、行政が拡大要請している将来可能なベッド数であり設備、人員ロジスティックを考慮した結果ではないので、いつ、またどの様にすれば可能なのかは不明ですし主観的判断が入り込んでいます。
データの共通化はこれらの数字が同じ定義に基づいていることを前提に集計、分析されるので共通化しようとしているデータが全て個別システムに蓄積されている必要がありますから、監督官庁は必要データを認定し、そこに含まれるデータ内容を公開し関連システムの管理者に指示し実行させなければなりません。各システム管理者はこれらを最低必要データとし、その他追加データが必要であればそれらを追加するということになります。
ゼロからスタートするのであれば比較的簡単ですが、既存のシステムやデータを改修するのであれば莫大な時間と費用がかかりそれを指示できる協力な力が不可欠です。
たったこれだけのことでも大変な努力が必要ですしシステム改修にも莫大な費用が
かかります
しかし、やらなければならいことですから時間をかけて
何故、何が、どうして必要なのかを
広く知らしめることが肝心でしょう
因みに必ず話題になる「マイナンバー」は上記3つが不明ですからいくら呼び掛け
ても登録が少ないのでしょう
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
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BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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