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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2020/11/13 その282 本質は何か?を問う大切さ
最近話題になったJOB型雇用で考えてみます。人口減少で日本の人口構成はピラミッド型から聖火台型に変化し若年層が少なくなっています。それに伴い、企業でも永年勤続と年功賃金という処遇制度の維持が難しくなりJOB型雇用ということが言われ始めました。
新卒採用の若手社員を比較的定型的な仕事から始めて、徐々に階段を上がり高度な仕事へ、それに伴い賃金も上昇するという旧来型の雇用が若年層の減少、中高年によるポスト独占で昇進機会が失われ、組織全体の活力が無くなり経済成長率の低下へと繋がってしまい、一つの解決策として非正規社員の増加とJOB型雇用が出現したと言えます。
会社全体から見ると年功賃金のため、人件費が上昇しているにもかかわらず生産性の上昇が低下し相対的なコストが上昇してしまいましたの、対応策として定型的な仕事の非正規社員への置換と若手社員の登用のためのJOB型雇用(JOB型賃金)が導入されたと考えられます。
しかし、本質的な変化とその対応策は何なのでしょうか。
JOB型雇用やJOB型採用とは職務記述書が明確で仕事の定義や責任が明瞭でそれに従って上司は仕事を割り振り達成目標と達成時期を明示するという仕事のやり方ですから、組織全体がそのような体制になっていない限り上手な運用はできません。
多くの企業では職務記述書は漠然としており上司の責任範囲と権限、更に従業員の職務権限と責任が曖昧になっているので継続的な上司からの指示とチェックがないと業務が遂行できないようになっています。このような組織体制や仕事の進め方を変更したという話は聞きませんし依然として新卒採用を継続しています。
本当にJOB型ということであれば未経験者の採用はありませんし、諸外国では不景気になると真っ先に新卒の採用が止められます。未経験者の採用は不経済だからです。人口構成の変化は現実ですし、今後少なくとも四半世紀は継続します。
処遇制度を見直すのは必要ですが先ずは各企業が組織のあり方、仕事の定義管理者教育といった本質的な課題に取り組み、その上で戦略的に採用や処遇の制度設計を行う必要がありますが、このような議論を聞いたことがありません。
技術力のある中小企業ではこのような処遇ができていることが多く見受けられ名前やムードに捉われない本当の実力が備わっているのはどうしてでしょうか。新卒採用、入社時の序列で物事を判断し猛烈な勢いで変化している世の中の動きに追随できていない大企業が行き詰まってしまっているのが今の状態だと感じられます。
最近話題になったJOB型雇用で考えてみます。人口減少で日本の人口構成はピラミッド型から聖火台型に変化し若年層が少なくなっています。それに伴い、企業でも永年勤続と年功賃金という処遇制度の維持が難しくなりJOB型雇用ということが言われ始めました。
新卒採用の若手社員を比較的定型的な仕事から始めて、徐々に階段を上がり高度な仕事へ、それに伴い賃金も上昇するという旧来型の雇用が若年層の減少、中高年によるポスト独占で昇進機会が失われ、組織全体の活力が無くなり経済成長率の低下へと繋がってしまい、一つの解決策として非正規社員の増加とJOB型雇用が出現したと言えます。
会社全体から見ると年功賃金のため、人件費が上昇しているにもかかわらず生産性の上昇が低下し相対的なコストが上昇してしまいましたの、対応策として定型的な仕事の非正規社員への置換と若手社員の登用のためのJOB型雇用(JOB型賃金)が導入されたと考えられます。
しかし、本質的な変化とその対応策は何なのでしょうか。
JOB型雇用やJOB型採用とは職務記述書が明確で仕事の定義や責任が明瞭でそれに従って上司は仕事を割り振り達成目標と達成時期を明示するという仕事のやり方ですから、組織全体がそのような体制になっていない限り上手な運用はできません。
多くの企業では職務記述書は漠然としており上司の責任範囲と権限、更に従業員の職務権限と責任が曖昧になっているので継続的な上司からの指示とチェックがないと業務が遂行できないようになっています。このような組織体制や仕事の進め方を変更したという話は聞きませんし依然として新卒採用を継続しています。
本当にJOB型ということであれば未経験者の採用はありませんし、諸外国では不景気になると真っ先に新卒の採用が止められます。未経験者の採用は不経済だからです。人口構成の変化は現実ですし、今後少なくとも四半世紀は継続します。
処遇制度を見直すのは必要ですが先ずは各企業が組織のあり方、仕事の定義管理者教育といった本質的な課題に取り組み、その上で戦略的に採用や処遇の制度設計を行う必要がありますが、このような議論を聞いたことがありません。
技術力のある中小企業ではこのような処遇ができていることが多く見受けられ名前やムードに捉われない本当の実力が備わっているのはどうしてでしょうか。新卒採用、入社時の序列で物事を判断し猛烈な勢いで変化している世の中の動きに追随できていない大企業が行き詰まってしまっているのが今の状態だと感じられます。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
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BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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