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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2020/8/24 その269 ルールは運用次第で活きもすれば死にもする
人間が社会生活を送ろうとするとルールが必要です。上は憲法から始まり下は町内会のルールまでスムーズな社会生活のためには様々な取り決めがありますが、どれをとってみても全員が賛成するようなルールはありません。従ってルールそのものの是非もさることながら運用が重要です。有名な『大岡さばき』はその典型かもしれません。江戸時代の窮屈な『お上』のルールを民衆にも納得されるような運用をしたからこそ人気になったのでしょう。
最近びっくりするような出来事がありました。さる一人暮らしの老人が亡くなり親族が遺産相続手続きのため金融機関に口座残高証明書を依頼したところ、発行は簡単にしてくれたのですが証明書を書留で本人宛送付しますと言われたそうです。
一人暮らしの老人ですから、その家には他の人は暮らしておらず、そもそも亡くなった本人の口座残高証明を本人宛に書留で送付するというのはどういうことでしょうか。曰く、重要な書類なので書留ですとのこと。
同居人がいれば確かに確実な方法でルールとしては間違っていないのでしょうが死亡した本人の関連書類を死亡者本人宛送付するというルールは如何なものでしょうか。せっかく書留で送付してもその住所に居住する人が受け取ってしまったら、実際には誰が受領したのか不明です。金融機関としては本人宛書留で送付しましたという免罪符が残りますが、実態はわかりません。また一人暮らしの場合はどうなるのでしょうか。受取人がいなければ送付元に戻ってしまいます。
つまり、ルールとしては堅実なものなのですが、杓子定規に運用するとあちこちに不便が生じてしまいますので、大岡さばきのように柔軟な運用をすれば良いのですが、それには判断力とそれに伴う責任が伴わなければなりません。ルールを遵守するというのは聞こえは良いですが結局責任逃れということと同一です。大岡越前守の人気は自らの責任でより良い運用をおこなったからでしょう。
いつも言うようですが責任を持って判断する能力の養成が肝心です。
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最近、北海道に引っ越し素晴らしい環境の中で生活を始めましたが、何度か書いたように生活のインフラを整えるのが高齢者には優しくないことがわかりました。下記のホームページからも参照できます。
HP
http://www.bmd-r.com/
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人間が社会生活を送ろうとするとルールが必要です。上は憲法から始まり下は町内会のルールまでスムーズな社会生活のためには様々な取り決めがありますが、どれをとってみても全員が賛成するようなルールはありません。従ってルールそのものの是非もさることながら運用が重要です。有名な『大岡さばき』はその典型かもしれません。江戸時代の窮屈な『お上』のルールを民衆にも納得されるような運用をしたからこそ人気になったのでしょう。
最近びっくりするような出来事がありました。さる一人暮らしの老人が亡くなり親族が遺産相続手続きのため金融機関に口座残高証明書を依頼したところ、発行は簡単にしてくれたのですが証明書を書留で本人宛送付しますと言われたそうです。
一人暮らしの老人ですから、その家には他の人は暮らしておらず、そもそも亡くなった本人の口座残高証明を本人宛に書留で送付するというのはどういうことでしょうか。曰く、重要な書類なので書留ですとのこと。
同居人がいれば確かに確実な方法でルールとしては間違っていないのでしょうが死亡した本人の関連書類を死亡者本人宛送付するというルールは如何なものでしょうか。せっかく書留で送付してもその住所に居住する人が受け取ってしまったら、実際には誰が受領したのか不明です。金融機関としては本人宛書留で送付しましたという免罪符が残りますが、実態はわかりません。また一人暮らしの場合はどうなるのでしょうか。受取人がいなければ送付元に戻ってしまいます。
つまり、ルールとしては堅実なものなのですが、杓子定規に運用するとあちこちに不便が生じてしまいますので、大岡さばきのように柔軟な運用をすれば良いのですが、それには判断力とそれに伴う責任が伴わなければなりません。ルールを遵守するというのは聞こえは良いですが結局責任逃れということと同一です。大岡越前守の人気は自らの責任でより良い運用をおこなったからでしょう。
いつも言うようですが責任を持って判断する能力の養成が肝心です。
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最近、北海道に引っ越し素晴らしい環境の中で生活を始めましたが、何度か書いたように生活のインフラを整えるのが高齢者には優しくないことがわかりました。下記のホームページからも参照できます。
HP
http://www.bmd-r.com/
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コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
バックナンバーは下記URLよりご覧下さい。
BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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