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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2020/7/29 その266 富士通の制度改善
富士通が大幅な制度改革の提案をしています。オフィスの大幅な削減や通勤・通勤費の考え方で良いことだと思います。また、ホリエモンこと堀江貴文氏が通勤定期料金のダイナミックプライシングに言及しています。
残念ながら筆者の目から見ると周回遅れ、しかも3周ぐらいの遅れに見えます。
何故ならば欧米諸国では何十年も前に導入され、完全に定着しているからです。具体的にはマンハッタンにニューイングランドから通う通勤列車では以前から時間別料金があり、通常時間は混んでいるが、その前後は少し安くなりゆったりとして通勤ができる制度があり市場原理の応用で乗客の分散を図っています。また、石油ショック後には大企業が一斉にマンハッタンから逃避し、郊外に小さなオフィスを構えることが普通になりました。これらのことが可能なのは、通勤費は個人が払うので市場原理が働いて分散するしオフィスのIT化により遠隔地でも仕事ができる体制が整備されてきたからです。
これらの条件が整わなければ富士通や堀江氏の提案は絵に描いた餅になります。私自身は40年前に次の三つを提案したことがあります。
・通勤費の定額支給
・タイムカードの廃止
・ボーナスの大幅減額
通勤費を定額にすれば、近くに住んで通勤費を削減しようというモチベーションが
働きますが、一方で住宅価格は高くなります。そこで企業が郊外に引っ越すことで、社員にも企業にもメリットが生じます。
タイムカードの廃止は正に在宅勤務時の出勤管理と同じです。
ボーナスの削減は削減額を毎月支給,つまり月々の収入が増えて生活レベルも上がるし支出の裁量幅が大きくなります。
これらの考え方の基礎にあるのは自主判断の尊重とそのためのインフラ整備で、これによって様々なエリアで市場価格が形成され本当の意味での市場経済が成立します。大都市に本社を置き、定時出勤を強制し、定期券の支給で郊外からの遠距離通勤を補助するような制度は本当の意味での市場経済ではなく、封建的な領主による
支配体制に近いものだと思います。
海外の状況を普段にモニタリングし、良い制度を迷わず導入するには個人の自主判断の余地が大きくないとできません。その意味では日本はまだ後進国だと言わざるを得ないようです。
======================================================
最近、北海道に引っ越し素晴らしい環境の中で生活を始めましたが、何度か書いたように生活のインフラを整えるのが高齢者には優しくないことがわかりました。
下記のホームページからも参照できます。
www.bmd-r.com
富士通が大幅な制度改革の提案をしています。オフィスの大幅な削減や通勤・通勤費の考え方で良いことだと思います。また、ホリエモンこと堀江貴文氏が通勤定期料金のダイナミックプライシングに言及しています。
残念ながら筆者の目から見ると周回遅れ、しかも3周ぐらいの遅れに見えます。
何故ならば欧米諸国では何十年も前に導入され、完全に定着しているからです。具体的にはマンハッタンにニューイングランドから通う通勤列車では以前から時間別料金があり、通常時間は混んでいるが、その前後は少し安くなりゆったりとして通勤ができる制度があり市場原理の応用で乗客の分散を図っています。また、石油ショック後には大企業が一斉にマンハッタンから逃避し、郊外に小さなオフィスを構えることが普通になりました。これらのことが可能なのは、通勤費は個人が払うので市場原理が働いて分散するしオフィスのIT化により遠隔地でも仕事ができる体制が整備されてきたからです。
これらの条件が整わなければ富士通や堀江氏の提案は絵に描いた餅になります。私自身は40年前に次の三つを提案したことがあります。
・通勤費の定額支給
・タイムカードの廃止
・ボーナスの大幅減額
通勤費を定額にすれば、近くに住んで通勤費を削減しようというモチベーションが
働きますが、一方で住宅価格は高くなります。そこで企業が郊外に引っ越すことで、社員にも企業にもメリットが生じます。
タイムカードの廃止は正に在宅勤務時の出勤管理と同じです。
ボーナスの削減は削減額を毎月支給,つまり月々の収入が増えて生活レベルも上がるし支出の裁量幅が大きくなります。
これらの考え方の基礎にあるのは自主判断の尊重とそのためのインフラ整備で、これによって様々なエリアで市場価格が形成され本当の意味での市場経済が成立します。大都市に本社を置き、定時出勤を強制し、定期券の支給で郊外からの遠距離通勤を補助するような制度は本当の意味での市場経済ではなく、封建的な領主による
支配体制に近いものだと思います。
海外の状況を普段にモニタリングし、良い制度を迷わず導入するには個人の自主判断の余地が大きくないとできません。その意味では日本はまだ後進国だと言わざるを得ないようです。
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最近、北海道に引っ越し素晴らしい環境の中で生活を始めましたが、何度か書いたように生活のインフラを整えるのが高齢者には優しくないことがわかりました。
下記のホームページからも参照できます。
www.bmd-r.com
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
バックナンバーは下記URLよりご覧下さい。
BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
BMDリサーチ http://www.bmd-r.com