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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2021/1/28 その292 2021年を展望する
残念ながら2020年はコロナに振り回された年になりましたが、依然として収束の兆しは見えません。数種類のワクチンが試験的に使用され先が見えたように考えがちですが世界全体に接種が広まるのは一年以上かかりますので、普段の生活が安心して過ごせ、気楽に旅行ができるようになるのは早くても2022年ごろでしょう。
直近ではワクチン接種が始まった途端に安心感から却って感染が広まるかもしれませんし、それ以上に心配なのはコロナ関連で支出された莫大な財政負担をどうやって埋め合わせるかです。これだけ落ち込んだ経済では増税をするわけにもゆかず、かといって財政赤字をほったらかす訳にはゆきません。
基軸通貨であるドルの発行元のアメリカや急速に拡大している中国元の発行元である中国は紙幣をすれば取り敢えずの対策はできますが、それ以外の国は何らかの手段を講じる必要があり、またアメリカや中国も自国通貨安というリスクを背負います。
日本の場合は30年前から産業構造の革新が必要だったにも拘わらず有効な政策が実行されなかったので二重の負担を強いられることになりますが、コロナにかまけてこの一年何も議論もされずあたかも課題がなかったかのように思われています。一方で地球環境や世界的なデジタル化の流れは目の前にある訳ですから思い切った発想の転換が求められます。
「やらない勇気」を持つのも発想の転換です。
コロナ感染を恐れず出かけたり会合を持つのは一見勇気のある態度と見られがちですがそれらをやらない勇気を持つべきです。本人のためでなく、家族,祖父母を守るために友達と会わない勇気を持てるのが本当の勇気です。
エピソードを一つ、平成13年夏場所 貴乃花対武蔵丸の千秋楽。
右膝怪我の貴乃花が本割りであっさりと負けたものの、決定戦に勝ち優勝殆どの人がその気力を賞賛しましたが、私はそう考えません。本割も不戦敗,決定戦も欠場で優勝できなければもっと賞賛された筈です。武蔵丸としては全力で対戦し怪我を悪化させ貴乃花の相撲人生を終わらせるようなことが有れば大変と考えればまともな相撲は取れません。貴乃花はスポーツマンシップに欠け,出ない勇気を持てなかったのです。
今は出る勇気を称賛するより出ない勇気を称賛すべき時です。
残念ながら2020年はコロナに振り回された年になりましたが、依然として収束の兆しは見えません。数種類のワクチンが試験的に使用され先が見えたように考えがちですが世界全体に接種が広まるのは一年以上かかりますので、普段の生活が安心して過ごせ、気楽に旅行ができるようになるのは早くても2022年ごろでしょう。
直近ではワクチン接種が始まった途端に安心感から却って感染が広まるかもしれませんし、それ以上に心配なのはコロナ関連で支出された莫大な財政負担をどうやって埋め合わせるかです。これだけ落ち込んだ経済では増税をするわけにもゆかず、かといって財政赤字をほったらかす訳にはゆきません。
基軸通貨であるドルの発行元のアメリカや急速に拡大している中国元の発行元である中国は紙幣をすれば取り敢えずの対策はできますが、それ以外の国は何らかの手段を講じる必要があり、またアメリカや中国も自国通貨安というリスクを背負います。
日本の場合は30年前から産業構造の革新が必要だったにも拘わらず有効な政策が実行されなかったので二重の負担を強いられることになりますが、コロナにかまけてこの一年何も議論もされずあたかも課題がなかったかのように思われています。一方で地球環境や世界的なデジタル化の流れは目の前にある訳ですから思い切った発想の転換が求められます。
「やらない勇気」を持つのも発想の転換です。
コロナ感染を恐れず出かけたり会合を持つのは一見勇気のある態度と見られがちですがそれらをやらない勇気を持つべきです。本人のためでなく、家族,祖父母を守るために友達と会わない勇気を持てるのが本当の勇気です。
エピソードを一つ、平成13年夏場所 貴乃花対武蔵丸の千秋楽。
右膝怪我の貴乃花が本割りであっさりと負けたものの、決定戦に勝ち優勝殆どの人がその気力を賞賛しましたが、私はそう考えません。本割も不戦敗,決定戦も欠場で優勝できなければもっと賞賛された筈です。武蔵丸としては全力で対戦し怪我を悪化させ貴乃花の相撲人生を終わらせるようなことが有れば大変と考えればまともな相撲は取れません。貴乃花はスポーツマンシップに欠け,出ない勇気を持てなかったのです。
今は出る勇気を称賛するより出ない勇気を称賛すべき時です。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
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BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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