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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2021/3/19 その301 日本翻訳に隠された真実
先日のG7オンライン会議で菅首相のオリンピックに関する発言が各国首脳から支持されたとした記事がありました。発表文によると「コロナに人類が打ち勝った証としてのオリンピック開催が支持された」とありますが実際には「オリンピック開催に向けての日本政府の努力を支持する」ということで開催そのものを支持したわけでなく準備活動に努力していることを支持しただけなのです。
バイデン大統領も「科学的に安全性が立証されれば開催できる」と言っているわけで無条件に開催を支持しているわけではありません。客観的にみて現状では開催には大きな障害がありますし、それ以上に一方で
ワクチン接種に多くの医療関係者が要請されている中で、オリンピックのために一万人もの医療関係者を張り付けることが合理的な判断なのか疑います。
何が何でもオリンピックを開催し、政権の浮揚策、秋の自民党総裁選、総選挙での勝利につなげようとしているのであれば、それこそオリンピックの政治的利用に他なりません。1936年のオリンピック再現をしてはならないのです。
リーヘンシュタールの「民族の祭典」は素晴らしい映画ですが歴史的評価は必ずしも好意的ではありません。文頭にあるようなことが何故起きるのでしょうか。翻訳に原因があるような気がします。原文に当たれば簡単にわかることですが多くの場合翻訳が情報源になっているので意図的な誤訳があっても指摘することは難しい状況です。
明治期の日本の大学では英語であれ、ドイツ語やフランス語であれ原書を読むことが必須の条件でした。翻訳本が少ないこともありますが、やはり原書で読んで行間まで理解することの大切さを認識していたからでしょう。因みに専門書を含めてほとんどの文献が自国語で読めるのは日本ぐらいです。ヨーロッパ諸国では多言語を理解する人は多数いますし、アジアやアフリカでは主として英語の文献が情報源として必須です。
これらと比較すれば自国語で様々な情報が得られることは良いことですが、逆に翻訳が間違っていたり、意図してか無意識かは別にして翻訳をしないことで情報を断ち切ることもあり得ることですから、やはり原書に当たるという態度は無くさないようにしなければなりません。
先日のG7オンライン会議で菅首相のオリンピックに関する発言が各国首脳から支持されたとした記事がありました。発表文によると「コロナに人類が打ち勝った証としてのオリンピック開催が支持された」とありますが実際には「オリンピック開催に向けての日本政府の努力を支持する」ということで開催そのものを支持したわけでなく準備活動に努力していることを支持しただけなのです。
バイデン大統領も「科学的に安全性が立証されれば開催できる」と言っているわけで無条件に開催を支持しているわけではありません。客観的にみて現状では開催には大きな障害がありますし、それ以上に一方で
ワクチン接種に多くの医療関係者が要請されている中で、オリンピックのために一万人もの医療関係者を張り付けることが合理的な判断なのか疑います。
何が何でもオリンピックを開催し、政権の浮揚策、秋の自民党総裁選、総選挙での勝利につなげようとしているのであれば、それこそオリンピックの政治的利用に他なりません。1936年のオリンピック再現をしてはならないのです。
リーヘンシュタールの「民族の祭典」は素晴らしい映画ですが歴史的評価は必ずしも好意的ではありません。文頭にあるようなことが何故起きるのでしょうか。翻訳に原因があるような気がします。原文に当たれば簡単にわかることですが多くの場合翻訳が情報源になっているので意図的な誤訳があっても指摘することは難しい状況です。
明治期の日本の大学では英語であれ、ドイツ語やフランス語であれ原書を読むことが必須の条件でした。翻訳本が少ないこともありますが、やはり原書で読んで行間まで理解することの大切さを認識していたからでしょう。因みに専門書を含めてほとんどの文献が自国語で読めるのは日本ぐらいです。ヨーロッパ諸国では多言語を理解する人は多数いますし、アジアやアフリカでは主として英語の文献が情報源として必須です。
これらと比較すれば自国語で様々な情報が得られることは良いことですが、逆に翻訳が間違っていたり、意図してか無意識かは別にして翻訳をしないことで情報を断ち切ることもあり得ることですから、やはり原書に当たるという態度は無くさないようにしなければなりません。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
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BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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