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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2021/2/22 その295 BLM、トランプ、階級社会
何週間も考えた末BLM(Black Lives Matter)の日本語は「黒人も同じ人間だ」というのが適切ではないかと結論付けました。
日本では考えられませんが多くのアメリカ人(特に白人)にとって黒人やヒスパニックそしてアジア系も自分達と同列の階級に属する人間とは考えていません。考えていないというより生まれた時からの環境で刷り込まれているといっても良いでしょう。
自由・平等がアメリカの基本だと考えられているでしょうが、そもそもイギリスで宗教的に迫害されていた人たちが「自由に」自分達の宗教を実践できるようにと海を渡って困難に打ち勝ち社会を築いてきたのです。国ができてから「自由」を求めて流入したイタリー系などは差別され、奴隷として連れてこられた黒人も解放された後も同一レベルの人間だという認識は薄いのです。ですから変革には社会の意識とともに各個人の意識改革が必要でそれをBLMが示しているのです。
ヨーロッパには今でも厳然とした貴族社会が存在します。彼らから見ると平民は二級国民なのです。従って貴族の女性は平民の前で裸になるのは恥ずかしいことではないという感覚をもっています。動物の前で裸になるのと同じ感覚と言っても良いでしょう。
日本にはこのような階級社会はないと考えると理解を超えることですが、冷静に分析すると日本でも似たようなことがあります。第二次対戦前の日本の植民地では日本人と現地人は国籍は同じでも一級国民二級国民という差別があり、今でも正規社員と非正規社員というところに同根の意識があります。もう一つ卑近な例を出すと技能実習生制度です。最大5年間滞在できますが、この資格では家族の帯同を認めていません最近では海外駐在員でも家族帯同での一時帰国は毎年、少なくとも2年に一回程度は認められているのに5年間も家族に会えないというのは非人道的ですが、非難する声は大きくありません。根っこには同一の人間として捉えていない差別意識があります。
トランプは無意識にこのような感覚を持つ白人層に訴えることで今でもかなりの支持を維持しています。生まれた時の社会のあり方は自然に身についてしまいますので、変革には信念と大きなエネルギーが必要で人類はこのような困難を何度も乗り越えて進歩を遂げてきました。これからもみんなで意識して変革を成し遂げればより良い社会が生まれることは間違いありません。
何週間も考えた末BLM(Black Lives Matter)の日本語は「黒人も同じ人間だ」というのが適切ではないかと結論付けました。
日本では考えられませんが多くのアメリカ人(特に白人)にとって黒人やヒスパニックそしてアジア系も自分達と同列の階級に属する人間とは考えていません。考えていないというより生まれた時からの環境で刷り込まれているといっても良いでしょう。
自由・平等がアメリカの基本だと考えられているでしょうが、そもそもイギリスで宗教的に迫害されていた人たちが「自由に」自分達の宗教を実践できるようにと海を渡って困難に打ち勝ち社会を築いてきたのです。国ができてから「自由」を求めて流入したイタリー系などは差別され、奴隷として連れてこられた黒人も解放された後も同一レベルの人間だという認識は薄いのです。ですから変革には社会の意識とともに各個人の意識改革が必要でそれをBLMが示しているのです。
ヨーロッパには今でも厳然とした貴族社会が存在します。彼らから見ると平民は二級国民なのです。従って貴族の女性は平民の前で裸になるのは恥ずかしいことではないという感覚をもっています。動物の前で裸になるのと同じ感覚と言っても良いでしょう。
日本にはこのような階級社会はないと考えると理解を超えることですが、冷静に分析すると日本でも似たようなことがあります。第二次対戦前の日本の植民地では日本人と現地人は国籍は同じでも一級国民二級国民という差別があり、今でも正規社員と非正規社員というところに同根の意識があります。もう一つ卑近な例を出すと技能実習生制度です。最大5年間滞在できますが、この資格では家族の帯同を認めていません最近では海外駐在員でも家族帯同での一時帰国は毎年、少なくとも2年に一回程度は認められているのに5年間も家族に会えないというのは非人道的ですが、非難する声は大きくありません。根っこには同一の人間として捉えていない差別意識があります。
トランプは無意識にこのような感覚を持つ白人層に訴えることで今でもかなりの支持を維持しています。生まれた時の社会のあり方は自然に身についてしまいますので、変革には信念と大きなエネルギーが必要で人類はこのような困難を何度も乗り越えて進歩を遂げてきました。これからもみんなで意識して変革を成し遂げればより良い社会が生まれることは間違いありません。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
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BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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