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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2021/3/12 その298 報道の自由とその背景にあるもの
高校時代に英語の受験勉強としてNew York Timesの日曜版を毎週読んで長文読解の一助にしようとしていた時代がありました。
発行人でもあったSultzberger Sr.やJ.Restonが一面のコラムを書いており、難解で長文の記事に悩まされていたのですが、一つだけ今でも覚えている驚くような記事がありました。Timesの一面にベトナムで生首をかざす米軍兵士写真があったのです。
ベトナム戦争が泥沼化しベトコンのゲリラに手こずっていた1960年代後半の記事で正確な内容は覚えていませんが、写真のような行為やベトコンの死体から耳を切り取り収集している兵士がいるというような内容で無意味な戦争で米軍兵士の心が苛まれているという反戦記事だったように記憶しています。同時に日本の新聞ではこのような記事やまして写真は出ないだろうと感じました。
ベトナム戦争ではR.Capaの撮った裸で道路を歩くベトナム人少女の写真が有名ですが報道の自由とは主義主張が背景にあって初めて許されるものだということを強く思った次第です。最近の日本で言われる報道の自由にはこのような信念があるのでしょうか。官邸や省庁の記者クラブで配布される発表文をほとんどそのまま掲載するだけで独自の調査や視点、真実に迫る論理的主張のない記事を書きながら一方で報道の自由を振りかざすことに違和感を覚えます。
卑近な例を一つ。菅内閣になってから話題になる携帯電話料金です。楽天モバイルが他社より安い料金を発表したとして、比較表を乗せていました。それによると20Gまでの料金が突出して安く、それより小容量の価格は20G料金より最大で2倍も高いのです。
しかし、報道ではどこにも価格の逆転現象や20Gの価格のみ安く、他は高いとかなぜ歪な価格体型になっているのかという深掘りした説明や疑問はありません。話題になったことを発表文のまま記事にするのではなく、各社それぞれの主張や疑問、深掘り、参考文献や事例があって初めて報道の自由が主張できるのではないでしょうか。テレビも新聞もワイドショー化してしまい情けない限りです。
高校時代に英語の受験勉強としてNew York Timesの日曜版を毎週読んで長文読解の一助にしようとしていた時代がありました。
発行人でもあったSultzberger Sr.やJ.Restonが一面のコラムを書いており、難解で長文の記事に悩まされていたのですが、一つだけ今でも覚えている驚くような記事がありました。Timesの一面にベトナムで生首をかざす米軍兵士写真があったのです。
ベトナム戦争が泥沼化しベトコンのゲリラに手こずっていた1960年代後半の記事で正確な内容は覚えていませんが、写真のような行為やベトコンの死体から耳を切り取り収集している兵士がいるというような内容で無意味な戦争で米軍兵士の心が苛まれているという反戦記事だったように記憶しています。同時に日本の新聞ではこのような記事やまして写真は出ないだろうと感じました。
ベトナム戦争ではR.Capaの撮った裸で道路を歩くベトナム人少女の写真が有名ですが報道の自由とは主義主張が背景にあって初めて許されるものだということを強く思った次第です。最近の日本で言われる報道の自由にはこのような信念があるのでしょうか。官邸や省庁の記者クラブで配布される発表文をほとんどそのまま掲載するだけで独自の調査や視点、真実に迫る論理的主張のない記事を書きながら一方で報道の自由を振りかざすことに違和感を覚えます。
卑近な例を一つ。菅内閣になってから話題になる携帯電話料金です。楽天モバイルが他社より安い料金を発表したとして、比較表を乗せていました。それによると20Gまでの料金が突出して安く、それより小容量の価格は20G料金より最大で2倍も高いのです。
しかし、報道ではどこにも価格の逆転現象や20Gの価格のみ安く、他は高いとかなぜ歪な価格体型になっているのかという深掘りした説明や疑問はありません。話題になったことを発表文のまま記事にするのではなく、各社それぞれの主張や疑問、深掘り、参考文献や事例があって初めて報道の自由が主張できるのではないでしょうか。テレビも新聞もワイドショー化してしまい情けない限りです。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
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BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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