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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2021/10/05 その322 自由・人権・都市
最近の風潮として何事に対しても人権ということが声高に叫ばれ、また自由ということも大事な論点になっています。しかし、現代の自由は元を正せば自由都市内の自由市民から出てきた概念で中世のヨーロッパで領主の束縛から逃れて都市に入り自由都市として領主からの独立を獲得したのが始まりで、人の行動が完全に個人として自由になることを意味しません。
都市の連帯を守るためのルールが存在し権利と義務を相互に認め合うことが求められ共同体としての規律内での自由という意味です。日本の場合は、中世以前に荘園に隷属していた農民が封建領主の庇護のもと領地内で存在を安堵されることで隷属から離脱したものの、結局自由都市の形成はなされず明治革命で市民となり。第二次対戦後の帝国解体によって民主主義的自由を得たので市民としての契約も無く内容が曖昧ままま自由という言葉のみが飛び交っています。
それぞれの国や地域で歴史やその成り立ちは異なりますので必ずしも西欧文明での自由の概念が正しい訳ではありませんがどんな形にしても権利と義務は表裏一体の関係でなければ社会は成立しません。歴史の中で長い間種々の異民族に支配された経験のある国、例えばフランスや中国では国家の前に個人の自立があり常に個人が国家を監視あるいは見極める力が強くその対案として西欧型民主主義や中華型統制民主主義が生まれました。日本やロシアは伝統的に異民族支配の経験が少なく官僚機構が発達していて官僚型民主主義といっても良いでしょう。
明治初年のように優秀な官僚が統治する場合は成果が上がりますが、官僚機構の監視役が存在しないので昭和初期のように軍が監視役として登場し結局官僚機構を破壊し国を滅亡させることもあります。千年にも及ぶ官僚機構による統治体制を全面的に変換するのは非常に難しいので優秀な官僚機構を維持しつつ、何らかの監視機能を持つことが早急に求められます。その意味では第一種公務員試験の受験者が減少し、且つ若手官僚の退職率が増加していることは憂慮すべき事態です。
官僚の人事権を支配する恐怖政治から脱却すると同時に官僚機構にも競争原理を導入し真に優秀な人材に活躍の場を提供することが急務です。
その第一歩として
1、公務員試験の一種、二種の廃止
2、課長級以上に天上がり制度を導入
3、部長級昇進試験制度の導入(入省時の成績の固定化はドッグイヤーに反する
これらを提案します。
最近の風潮として何事に対しても人権ということが声高に叫ばれ、また自由ということも大事な論点になっています。しかし、現代の自由は元を正せば自由都市内の自由市民から出てきた概念で中世のヨーロッパで領主の束縛から逃れて都市に入り自由都市として領主からの独立を獲得したのが始まりで、人の行動が完全に個人として自由になることを意味しません。
都市の連帯を守るためのルールが存在し権利と義務を相互に認め合うことが求められ共同体としての規律内での自由という意味です。日本の場合は、中世以前に荘園に隷属していた農民が封建領主の庇護のもと領地内で存在を安堵されることで隷属から離脱したものの、結局自由都市の形成はなされず明治革命で市民となり。第二次対戦後の帝国解体によって民主主義的自由を得たので市民としての契約も無く内容が曖昧ままま自由という言葉のみが飛び交っています。
それぞれの国や地域で歴史やその成り立ちは異なりますので必ずしも西欧文明での自由の概念が正しい訳ではありませんがどんな形にしても権利と義務は表裏一体の関係でなければ社会は成立しません。歴史の中で長い間種々の異民族に支配された経験のある国、例えばフランスや中国では国家の前に個人の自立があり常に個人が国家を監視あるいは見極める力が強くその対案として西欧型民主主義や中華型統制民主主義が生まれました。日本やロシアは伝統的に異民族支配の経験が少なく官僚機構が発達していて官僚型民主主義といっても良いでしょう。
明治初年のように優秀な官僚が統治する場合は成果が上がりますが、官僚機構の監視役が存在しないので昭和初期のように軍が監視役として登場し結局官僚機構を破壊し国を滅亡させることもあります。千年にも及ぶ官僚機構による統治体制を全面的に変換するのは非常に難しいので優秀な官僚機構を維持しつつ、何らかの監視機能を持つことが早急に求められます。その意味では第一種公務員試験の受験者が減少し、且つ若手官僚の退職率が増加していることは憂慮すべき事態です。
官僚の人事権を支配する恐怖政治から脱却すると同時に官僚機構にも競争原理を導入し真に優秀な人材に活躍の場を提供することが急務です。
その第一歩として
1、公務員試験の一種、二種の廃止
2、課長級以上に天上がり制度を導入
3、部長級昇進試験制度の導入(入省時の成績の固定化はドッグイヤーに反する
これらを提案します。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
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BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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