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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2021/06/16 その311 予言と予測
ある程度の検証可能なデータに基づく将来予測と個人の感性に主たる根拠を置く予言とは同じことを主張しても内容は異なります。特に予言は時間的には遠い将来を予測することが多く、例えばキリスト教の終末思想は1,000年も先のことですから誰も結果を見ることはありません。
さて、最近「日本の自殺」という本を読みました。1975年に書かれた本ですから予言ではなく予測となるのでしょうが、現在の日本の姿を見るとかなり的中しているようです。因みに私自身も1968年に20年後に日本は衰退の道を辿るとの予測をしましたが
1989年のバブルの崩壊が21年後、その後の30年はまさに凋落の道を辿り成長率は平均で1~2%となってしまい人口も減少し始め確実に衰退に向かっています。
「日本の自殺」ではローマ帝国をはじめとた過去の文明が衰退に向かった原因を検証し、絶頂期に内部崩壊の基が芽生え外部要因でなく内部要因が衰退の原因であるとし当時の日本の状況を当てはめて検証しています。企業も衰退に向かうのは内部崩壊が主因であることが多く、競争激化や市場環境の変化ではないという主張が多くあります。
私の予測は「大学闘争」(大学紛争ではなく)の原因と収束の過程に基づいています。大学闘争の始まりは東大医学部での学生処分に端を発し、処分が誤りだったにもかかわらず教授会が調査もせず、撤回もせず、謝罪もしなかったという管理体制の不備が根本原因になってまさに統治機構が正常に働いていなかったことが原因です。その後の経過はともかくとして事実を認めず曖昧に幕引きをするという最近でも見かける景色の発端でもありました。
つまり管理能力の欠如=組織の内部崩壊の芽生えということになり文明崩壊の過程と軌を一にしているのです。
予測が当たるのは嬉しいことですがこのような予測は外れて欲しいと思いますし予測ができた時点で多くの人が現実を直視し、危機感を持ち、抵抗に逆らって修正する勇気があれば何年も先になってようやく気づいた時にはすでに手遅れという事態は避けられたのだと思います。自分自身がこのような行動をとったのかを自問すると忸怩たる思いもあります。
反省! 反省!
ある程度の検証可能なデータに基づく将来予測と個人の感性に主たる根拠を置く予言とは同じことを主張しても内容は異なります。特に予言は時間的には遠い将来を予測することが多く、例えばキリスト教の終末思想は1,000年も先のことですから誰も結果を見ることはありません。
さて、最近「日本の自殺」という本を読みました。1975年に書かれた本ですから予言ではなく予測となるのでしょうが、現在の日本の姿を見るとかなり的中しているようです。因みに私自身も1968年に20年後に日本は衰退の道を辿るとの予測をしましたが
1989年のバブルの崩壊が21年後、その後の30年はまさに凋落の道を辿り成長率は平均で1~2%となってしまい人口も減少し始め確実に衰退に向かっています。
「日本の自殺」ではローマ帝国をはじめとた過去の文明が衰退に向かった原因を検証し、絶頂期に内部崩壊の基が芽生え外部要因でなく内部要因が衰退の原因であるとし当時の日本の状況を当てはめて検証しています。企業も衰退に向かうのは内部崩壊が主因であることが多く、競争激化や市場環境の変化ではないという主張が多くあります。
私の予測は「大学闘争」(大学紛争ではなく)の原因と収束の過程に基づいています。大学闘争の始まりは東大医学部での学生処分に端を発し、処分が誤りだったにもかかわらず教授会が調査もせず、撤回もせず、謝罪もしなかったという管理体制の不備が根本原因になってまさに統治機構が正常に働いていなかったことが原因です。その後の経過はともかくとして事実を認めず曖昧に幕引きをするという最近でも見かける景色の発端でもありました。
つまり管理能力の欠如=組織の内部崩壊の芽生えということになり文明崩壊の過程と軌を一にしているのです。
予測が当たるのは嬉しいことですがこのような予測は外れて欲しいと思いますし予測ができた時点で多くの人が現実を直視し、危機感を持ち、抵抗に逆らって修正する勇気があれば何年も先になってようやく気づいた時にはすでに手遅れという事態は避けられたのだと思います。自分自身がこのような行動をとったのかを自問すると忸怩たる思いもあります。
反省! 反省!
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
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BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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