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会計実務家コラム
会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。
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田原中男氏の尖った提案
2021/07/05 その313 デジタル教育
「第四次産業革命と教育の未来」を出版した東大名誉教授佐藤さんの記事を読みました。1人1台のPCを全小中学校に配ることの効果について述べていますが、要するにPCは情報を得るには有効だが思考能力を育むにはマイナスになることもあるという主張です。確かに便利なツールではありますが簡単に情報が得られることでその情報が唯一絶対な回答と思ってしまえば思考は停止してしまいます。
電卓ができてきた頃にイギリスの小学校で九九の暗記を止め、試験でも電卓の持ち込みを是認した時期がありましたが10~20年後にオックスフォードやケンブリッジ大学の哲学科学生の成績が急に低下したことがあったそうです。調べてみると九九の暗記を止めた時期以降の学生に該当していて慌てた政府は小学校での九九の暗記を復活したそうです。暗記は単に回答を覚えるだけでなく、脳の思考回路発達に大きな影響を与えていたと結論づけたそうで、先程のPC配布と似た様なことではないでしょうか。過去の事例を調べればこの様な因果関係はわかるわけで他国の失敗を繰り返す必要はありません。
PCの利便性は勉強や仕事の効率を飛躍的に高めるのは間違いありませんが、人間の思考を代替するものではありませんので、正しい使い方を教えることと思考能力とツールの組み合わせを指導するのが教育者の役割でありその指針は文科省が率先して出すべきでしょう。前例踏襲を最大の基本理念としている官公庁のお役人には最も苦手な領域かもしれませんので、この様な場面にこそ知恵を出せる民間の柔軟性を活用すべきです。この場合も企業に丸投げせず、企業利益から離れた立場で開発できる体制の整備と人選が大切になります。
因みにデジタル化教育等最近出てきた技術に対する再教育の機会はOECD加盟国の中で日本は最低に近いというデータがあります。デジタル化以前に公務員試験に合格したシニア官僚には理解し難いことも多いのでしょう。規制改革、デジタル化とはこの様なことを言うのではないでしょうか。
「第四次産業革命と教育の未来」を出版した東大名誉教授佐藤さんの記事を読みました。1人1台のPCを全小中学校に配ることの効果について述べていますが、要するにPCは情報を得るには有効だが思考能力を育むにはマイナスになることもあるという主張です。確かに便利なツールではありますが簡単に情報が得られることでその情報が唯一絶対な回答と思ってしまえば思考は停止してしまいます。
電卓ができてきた頃にイギリスの小学校で九九の暗記を止め、試験でも電卓の持ち込みを是認した時期がありましたが10~20年後にオックスフォードやケンブリッジ大学の哲学科学生の成績が急に低下したことがあったそうです。調べてみると九九の暗記を止めた時期以降の学生に該当していて慌てた政府は小学校での九九の暗記を復活したそうです。暗記は単に回答を覚えるだけでなく、脳の思考回路発達に大きな影響を与えていたと結論づけたそうで、先程のPC配布と似た様なことではないでしょうか。過去の事例を調べればこの様な因果関係はわかるわけで他国の失敗を繰り返す必要はありません。
PCの利便性は勉強や仕事の効率を飛躍的に高めるのは間違いありませんが、人間の思考を代替するものではありませんので、正しい使い方を教えることと思考能力とツールの組み合わせを指導するのが教育者の役割でありその指針は文科省が率先して出すべきでしょう。前例踏襲を最大の基本理念としている官公庁のお役人には最も苦手な領域かもしれませんので、この様な場面にこそ知恵を出せる民間の柔軟性を活用すべきです。この場合も企業に丸投げせず、企業利益から離れた立場で開発できる体制の整備と人選が大切になります。
因みにデジタル化教育等最近出てきた技術に対する再教育の機会はOECD加盟国の中で日本は最低に近いというデータがあります。デジタル化以前に公務員試験に合格したシニア官僚には理解し難いことも多いのでしょう。規制改革、デジタル化とはこの様なことを言うのではないでしょうか。
コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏
1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。
田原中男氏の尖った提案 バックナンバー
バックナンバーは下記URLよりご覧下さい。
BMDリサーチ http://www.bmd-r.com
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